クリエイターリーダーシップ特論第14回

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科
クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論
第14回 佐々木康裕さん 講義日10/11

佐々木さんについて

2005年に大学卒業後、伊藤忠商事に入社し、シリコンバレーのテック企業のソフトウェアやハードウェアライセンスを買い付けて国内への導入するビジネスやベンチャー投資などを経験。その後、イリノイ工科大学に大学院留学したのちに、Takramに入社されています。

形のないデザイン

伊藤忠商事に入社されてから「ハイコンセプト」という本に出会いイリノイ工科大学へ大学院留学を決意されます。
イリノイ工科大学では「クリエイティビティなんて要らないんだ」って言い切る先生が何人かいらっらしゃり、創造性に依存しない再現性あるアプローチができるんだよ、と言う人が多くいたそうです。佐々木さんはほかの人にプロセスや方法論を伝えることに非常に役に立った考え方かなと思われたそうです。
創造性非依存の再現性あるアプローチというのは何をデザインするかでアプローチ方法が変わっていきます。形があるものものもあれは形がないものがデザインとして作っていく、この形がないものをデザインしていくのが佐々木さんの得意とするものです。

今の時代は正解のないやっかいな問題があふれています。厄介な問題に対応するには様々な面からアプローチが必要で総合格闘技のようなものが必要です。
ただ個人的にこの厄介な問題は今の日本にとって苦手とする分野ではないのかな?って感じます。答えはなくいろんなことに繋がっていて文字通り厄介です。クリエイターや元から興味があるアンテナを常に張っている人は様々な思考方法を知ったり実践していますがまだロジカルだけでいけるだろう、これならこの方法が最適だと固定観念に囚われている人も多いように見え総合格闘技を苦手としているように思えます。

最後に

グローバルアジェンダにも触れられていて一つの問題に対して複合的に見つめ俯瞰的に捉えることが重要で他者を理解したいというスタンスや、共感力がベースとして大切とも佐々木さんは話されていました。
この話を聞いて思い出したことがあります。大学の教授に「デザイナーは共感が大切だ、物事に対して自分も共感し、相手の共感を得られることが重要だ」と共感させることを強く言われたことです。この共感は今でも私のデザインの課題に取り組む際に気をつけていることです。コンセプトが共感できるかどうか、そのコンセプトが形にしたとき共感が得られるデザインをしているかなどです。
話が少しずれましたがこの他者の目線に立ち共感し、知らんぷりしている人たちに共感を得られるようになんらかの形でデザインをしていくことがデザイナーのグローバルアジェンダに対する重要な姿勢の一つ考えます。
今回は貴重なお話を聞かせてもらいありがとうございました。


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