クリエイティブリーダシップ特論第10回

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科
クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論
第10回 稲葉俊郎さん  講義日9/ 13

稲葉さんについて

軽井沢病院で副院長を務められていています。西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修められ。国宝『医心方』の勉強会も主宰されています。未来の医療と社会の創発のため、伝統芸能、芸術、民俗学、農業など、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行われています。

健康とはなにか

健康とはWHOによると「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」と書かれています。しかし現状では社会、自分含めて「健康=体に問題がない」という認識です。
大学で学ぶ医学は西洋医学であり、からだ、症状に注目しますが稲葉さんは「こころ」や「いのち」はなんだろうか、そもそも健康とは?と疑問をもつようになりました。


医療と芸術

『医療と芸術はどちらも、人間が〈全体性〉を取り戻すための営みである』と稲葉さんは話されています。みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020の監督も務められるなど、医療と美術に共通点を見出し、両方を繋げようと活動されています。ただ同時に反対の存在でもあります。現状の困っているから対処するために存在する医療、困っているから対処する、求められるわけではない芸術と必要とされる場が現状では反対です。稲葉さんは困っているから対処するための医療を芸術のような捉え方をして健康とは何か医療の関わり方を変えようとされています。
現代医学はデータを重要視し可視化すること重点を置いていますが芸術のように見えていない部分から読み取ることができないのでは?と他の人とは違う視点で見ています。
今現在の社会は体重、BMI、cal、健康面でも数字に置き換えわかりやすく、数字を見て一喜一憂しています。可視化をすることはわかりやすいけどその分見えているところだけに注目しがちで振り回されやすいように個人的には思います。

終わりに

大学の時にお世話になった教授が医学と芸術はどちらも一つの分野の専門性を極めて人々に貢献する術であると話されていました。一見反対にな存在に見えるけど共通点を見つけるのは面白いデザインの先生で同じように考えている人がいたらいいなとぼんやりと頭の片隅に置いていたのですが美術と医学を繋げようとする医学の先生がいて嬉しかったしどちらの分野も双方からの歩み寄り活動が多くなるとより良い世界があると思います。
この度は貴重なお話を聞かせてもらいありがとうございました。


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