クリエイティブリーダシップ特論 第3回

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科
クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論
第3回 森 一貴さん  講義日4/26

森さんについて

1991年山形出身、東京大学卒業後、大手コンサルを経て鯖江市「ゆるい移住」を機に福井県鯖江市へ移住します。
社会に自由と寛容をつくる」を掲げ、人々の「できる」という確信=Capabilityを拡張する営みを探索されています

社会に自由と寛容をつくる

そもそも幸福、自由とはなんでしょうか?幸福は一定に定義できません。人や場所、環境によって幸せの感じ方は違い、さまざまな幸福が存在します。しかし多様な幸福があるほど幸福になるための多様な選択肢と選択肢を可能にする文化とシステムが重要です。多様な選択肢を人が作るには限界があり「選択肢をつくる」という行為そのものを誰でもできるようにする必要があります。
幸福な夜会はいかにして実現するために「人々のデザイン能力をエンパワーしていくこと」が自分たちの役割であり、デザイン能力とは自分たち自身で考え、決定し、生み出していく能力のことと話されていました。

重要なのは「できるという確信」のデザイン=「人々が、社会を変えていけるようにな社会をつくること」です。
これまでは専門家や権力者が製作、都市、プロダクトと出来上がったものをユーザーに提供するモデルだったものをこれからは人々がほしいものを、自分たち自身が生み出していくモデルに進化することです。専門家や為政者、企業などの役割は人々が社会を変えやすいシステムを構築し人々が社会を変えるプロセスを支援するファシリテーターに変化します。

生き方見本市HOKURIKU

「どんな生き方だっていい」を合言葉に多様な生き方を試してみる人の話を聞き、自分の生き方を考え直す博覧会を実施し福井を中心に、他拠点移住者や、LGBT・鬱の当事者まで多様なゲストを集い結果200名を超える人々が集まりました。
日本の田舎はまだ多様な生き方に関する認知が広がってなくあえて地方で様々な生き方を試みる人がいることあえて宣言し当事者同士が出会ったり議論を喚起したりできるのではないかと考えられ実施されました。
ある意味で画一化された生き方をしている人が多くいる場所で人とは少し違う生き方をしている人は人ごとで想像で終わってしまいがちな環境にあえて自分たちのそばにも様々な生き方をしている人がいると外部の人にも認知できる内にも外にも効果がある集まりだと思いました。

田舎フリーランス養成講座鯖江

日本は終身雇用が当たり前の世界ですが徐々にフリーランスにな人も増加しました。しかしフリーランスになることにハードルを感じる人が多いのは実情であり「私たちは自由であり、なんだってなれる」というメッセージを伝えたという思いから田舎フリーランス養成講座を実施しました。

RENEW

福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した工房見学イベントです。7産地の工房・企業を一斉開放し、見学やワークショップを通じて、一般の人々が職人の想いや背景を知り、技術を体験しながら商品の購入を楽しめます。
工房というと閉じた世界、購入者と作り手が一枚の壁が挟まれたような少し遠い存在ように感じられます。それを少しでも解消する、お互いを知る一つのきっかけになるイベントになっています。

終わりに

どうやったらみんなが幸せになれるかから出発し、幸せな生き方を求めて考えたこと実際に自分たちでやってみるという行動力が見ていて憧れました。話を聞いていて印象的だったのはどのイベントにも人と人を繋げ、何かの専門家とそのユーザーと分けるのではなく境目を曖昧にしグループとしてまとめ、新しい選択肢を増やしていることです。今まであった教科書に書いてあるような幸福からは少しずれて教科書に書いていない自分で考えた違う道を歩いていくきっかけを作っているように見えました。今の世界はまだこれがいいとされた道を歩き、幸福と感じることが多いように思いますが一度立ち止まり、自分たちで幸福とは考えられるような人が増えていくような社会になってほしいです。

今回はこのようなお話を聞かせてもらいありがとうございました。


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