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日記


時刻は4時前
夜は冬だった

外に出たはいいけど行先なんかあるはずもない
眠りに逃げれない以上、家が安寧の場所ではなかった

逃げ出したかった それだけである

寝癖を隠すために適当にまとめた
髪の毛のせいで首筋が寒い
繋いだイヤホンから音楽を流しても
どれも違くて聴くのをやめた

もし私が老人になることがあったら
きっと深夜徘徊をするんだろうな、なんて

漠然と思った


なんとなく北に向かっている
少しだけ空が明るいかもしれなくて
空は水色じゃなくて青だった

橙になったらおうちに帰らないと


日が出る前に逃げ帰りたい
昨日は一日中眠りに逃げて
眠れなくなったから部屋から逃げて
こんな惨めな姿が晒されるのが怖いから
今しがた太陽からも逃げて

逃げてばかりなのは今に始まった話ではなくて
それでも逃げ出したかった
死にたかった 死にたくなかった

もうどこにも行きたくなかった


ほんとはお酒なんてのみたくないんだよ



たすけてください



23歳 5月某日/早朝

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