Only U.

妹よ、生まれてきてくれてありがとう
なんて
昔の歌に出てきそうなことを一人で思ってみる

おかあさんのお腹にいた頃
あなたはくるくるくるくる何度もまわって
頭から産まれてくるのか
それとも足からなのかと
大人たちをひやひやさせましたね
おかあさんの検診について行き
あなたの心音を聴くと
なんだか周りの赤ちゃんより早い気がして
落ち着きのない性格に違いないと
笑いながらあなたの誕生を心待ちにしていました

あなたが生まれてから
産着を干したり
離乳食をカレンダーに書き込んだり
まるで小さなおかあさんになったみたいで
私もとても楽しかった
かわいくてかわいくて
小さいころはいつも一緒だったのに
両親には反抗期など全くなかったのに
いつのまにか私とは口を聞いてくれなくなって
学校でいじめにあって自信を失くしていた私は
妹にまで嫌われてしまったんだと思っていた

それでも雨が酷い夜には
怖がって急に私のベッドに潜り込んできて
そっぽ向いて寝ていたね

無口だったあなたも大人になって
少し素直に昔のことを話してくれる
本当に信頼していたから反抗できた
と
おねえちゃんは魔法使いみたいに何でもできた
と
いつも守ってくれた
と
言ってくれた
あの頃の私が聞いたら
どんなにかびっくりして喜ぶだろう

そんなあなたもとうとうおかあさんになる
とか
そんなあなたも大好きな人と暮らすようになり
とか
みんなが思うハッピーエンドのお話じゃなくていい
だけど小さなハッピーをたくさん集めたい
私の手作りをとても喜んでくれる
私の幸せを自分のことのように喜んでくれる
ゆうちゃんに
いつか素直に言いたい
生まれてきてくれてありがとう

この前、手作りのキャラメルをくれた。ありがとう。