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【医学部学士編入】受験校の決め方


▸はじめに

医学部学士編入試験は、大学ごとに試験の実施科目・配点などが大きく異なります。そのため、相性の良い大学を選択することが合格への近道だと考えています。1人の意見にはなりますが、どのように受験する大学を決めていたのかを書いていきます。

▸受験校の決め方

次の順番に考えていきました。
①自己分析
②各大学の特徴を知る
③①と②を照らし合わせる
④最終調整

これから各項目について、詳しく述べていきます。

とにかく合格を目指すという方針のため、「絶対にこの大学に行きたい」という考え方はしていません。優秀な方を除いて、特別な事情がない限り、はじめから選択肢を狭めるのは得策ではありません。

▸①自己分析

まずは、3つの観点で自己分析をしました。各項目について、順番に説明していきます。
(1)出願要件
(2)得意科目/苦手科目
(3)面接が得意か否か

(1)出願要件
ここで考えた項目は5つです。
・学位の有無
・単位要件
・英語の外部スコア
・論文を書いているか(=論文要旨の提出 / 研究に関する発表 を想定)
・推薦書

私の場合は、下記のように振り分けしました。
※〇:問題なし / △:現状は不可だが、努力次第で可能 / ×:不可

・学位の有無:〇
→院卒。
・単位要件:×
→文系卒なので、理科系の単位が必要な大学は受験不可(例:群馬大学)
※放送大学で単位を取得することは考慮しませんでした。
・英語の外部スコア:△
→受験決意時、TOEFL=43点・TOEIC=635点のため、外部スコアの条件がある大学は受験不可(例:岡山大学・高知大学)
・論文要旨:〇
→修士論文執筆済み。
・推薦書:〇
→複数の教授からOK。

(2)得意科目 / 苦手科目
医学部学士編入試験において、筆記試験で問われる科目は下記です。これらの科目について、自分の適性を考えました。
・英語
・生命科学(生物)
・化学
・物理
・数学
△統計学
△小論文

<補足>
・統計学は出題されても問題数が少ない場合が多く、出題自体が安定していない大学も多いです。また、勉強するとしても範囲が狭く、他科目よりも少ない勉強時間でOKなので、優先して考えなくて大丈夫です。
・小論文は二次試験で課される大学が多いため、とりあえず筆記試験の通過を考える場合には、非優先で問題ありません。(例外:富山大学)

私の場合は、下記のように考えました。

・得意科目:統計学

→大学院入試でも使っていて、自信あり。
・苦手科目:英語
→特にTOEFLは厳しそう…。
・中間的な科目:数学
→数学ⅠAⅡBまでしか学習しておらず、線形代数などは独学。ただし、苦手意識はない。
・未知な科目:生物・化学・物理・小論文
→私立文系学部専願で大学受験をしていて、生物・化学・物理は未履修である。小論文も特別な対策はしたことがない。

<総括>
英語が苦手なので、「英語の比重が少ない大学・TOEFLの要件がない大学」が良さそう。化学・物理を勉強することに抵抗はないので、4科目校を視野に入れる。また、統計学が出題される大学は検討余地あり。

(3)面接が得意か否か
面接が得意な人は、面接試験が重視される大学を選べば、筆記試験で上位に入れなくても合格可能性があります。

第1次選抜合格者に対して、面接を行い、最終合格者を決定します。合否は、第2次選抜の結果のみで判定します。ただし、第2次選抜の得点が同点の場合は、第1次選抜の得点により順位を付けます。

愛媛大学公式HP「令和6年度 医学部医学科第2年次学士編入学学生募集要項」より

逆に面接に苦手意識がある人は、筆記試験が重視される大学を選ぶべきです。筆記試験で上位に入り、逃げ切る作戦です。

TOEIC:150点
自然科学総合問題:300点
面接:100点
→全体の配点(550点)のうち、面接の点数は約18%です。

香川大学公式HP「 2024年度 医学部医学科第2年次編入学(学士編入学)学生募集要項」より

このように面接の配点に関しても、傾向が変わるので、面接が得意か否かを検討する必要があります。私は、面接やプレゼンが得意なため、面接の比重が高い大学を受験したいと考えていました。

▸②各大学の特徴を知る

次に、試験を実施している大学を調べていきます。医学部学士編入試験は、大学によって傾向が異なり、出願できる要件も様々です。
例えば、鳥取大学では出願時に出身地の制限があります。出願できる人は少ないと予想できるため、逆に出願できる方はチャンスでしょう!

次の条件(1)又は(2)のいずれかに該当する者。
(1)鳥取県、島根県、岡山県、広島県、兵庫県の高等学校を卒業した者。
(2)父母のいずれかの現住所地が鳥取県の者。
(父母については義理の父母も含むものとする。)

「令和6年度鳥取大学医学部医学科学士編入学(2年次編入)学生募集要項」より

このように出願したくても出来ない場合があったり、筆記試験で課される科目が異なるといった特徴があります。

ここで詳しく述べると更に記事が長くなってしまうため、別の記事で詳しく執筆していきます。順次、追加予定です。
出願要件
科目ごとの配点

▸③①自己分析結果と②各大学の特徴を照らし合わせる

自己分析で知ることが出来た適性と、それに合う大学をリストアップしていきます。その際に優先度をつけて大学を選ぶと、後の作業がしやすくなるため、おすすめです。

私の場合は、下記のように考えました。

★★★:英語の試験がなく、TOEICのみ(例:北海道大学)
→TOEICならば、医学英語やTOEFLよりも対策がしやすそう。
★★:英語の試験あり+4科目校※(例:浜松医科大学)
→英語の試験があっても、英語の配点が低い大学を視野に入れる。
※4科目校の理由は、TOEICのみの大学の多くが4科目校であること、4科目校の方が英語の比重が低い傾向があること、の2点です。
★:統計学の出題あり(例:名古屋大学)
→統計学で他の受験者と差をつけられる可能性が高いため検討。ただし、統計学の配点が低い、もしくは出題が安定しない大学が多いため、非優先。

▸④最終調整

③で選んだ大学をすべて受験することが出来れば良いですが、試験日程が被っていたり、金銭的な問題もあると思います。また、前半校であった場合に、受験を決意した時期によっては、勉強が間に合わない場合も考えられます。

試験日程が被っている大学
・鹿児島大学×香川大学
・大阪大学×筑波大学
・富山大学×群馬大学
・旭川医科大学×島根大学

令和6年度入学者対象の医学部編入試験から一部抜粋

下記の観点を考慮しながら、受験する大学を決定していきました。
・スケジュール
→筆記試験までに勉強が間に合うか?
→試験日程が被らないか? ※毎年変動するため、必ずご自身の受験年度の日程を確認してください。
・勉強範囲
→出題範囲が似ている大学を積極的に選択する。
・優先度
→優先度が高い大学から検討。※金銭面・スケジュール・勉強範囲に余裕があれば、優先度が低い大学も受けましょう。

▸さいごに

医学部学士編入試験に関する情報は少なく、受験校を決めるだけでも、大変な思いをしました。また、文系出身で合格されている方はいますが、私のように4科目校中心の戦略を取られている方が少なく、情報収集に苦労しました。稀なケースではあると思いますが、この記事が少しでも皆様のお役に立てたら、嬉しいです!


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