現代版ネストリウス派は、地球人とスターピープルの二重存在という話

神の子か、人の子か、両方か

「キリストは神の子であり人の子である」というネストリウス派の考えを現代的にして、「私は地球人でありスターピープルである」という生き方をもっと推し進めようという話が、松村潔先生のYouTube動画で語られていた。
YouTube：神格と人格の二重存在
YouTube：神の子と人の子の共存は、昔からの重要なテーマだった

正統派はキリストは三位一体であり、人の子であるとは認めなかったので、「神の子であり人の子である」というネストリウス派は431年に異端認定された。

この話でもう1つ思い出すのは、アリウス派だ。
アリウス派は、「キリストは人の子である」という考えを推し、キリストは神的ではあるが、神ではなく神に従属するものだとした。そしてこちらも325年に異端とされた。

私はこの話をテーマにすると、あることを思い出す。

所詮は月を持っているという主張

松村潔先生は、月に同一化せず、吐き出し、対象化しようという内容の本を出したことがある。（『月星座占星術講座 -月で知るあなたの心と体の未来と夢の成就法-』）この場合の月は、無意識的に同一化し、癖となっている個人の月のことで、月の軌道や月のステーションのことではない。
しかし、月と同化するなと言いつつ、先生だって水瓶座の月の性質が丸出しではないかという意見をチラホラと聞いたことがある。考えの落ち着く先が、「みんな月を持っているじゃないか」というところになるのは、キリストは人の子であるという考えをもっと極端に過激にしたものと同じだ。例えば、肉体を持っていればトイレにも行くし、酒を飲んだらフラフラする、時々小さなことで機嫌を損ねたり、勘違いもする。そういうところを見て、ほらみろアイツも所詮は人間だと言いきる考え方だ。それは結局、自分と同じで物質的な存在なのだと言いたいのであり、その人が認識できないスターピープルの部分は、見えないからなかったことにするということではないか。

そもそも、月を対象化することと、月を無きものにすることは違う。
人間が地球の物質肉体を持っている間は、月の作用は大切なものであり、なくてはならない。月の作用がない状態で、物質肉体に受肉などできない。だからと言って、月はとても重要だという今まで通りの安心な家に閉じこもったままなのか、それとも、月と同化しないとはどういうことか探求していくのかによって、「私は人であり、スターピープルである」という二重存在に近づくかどうかが、分かれるのではないか。

私を地上に繋ぎ留めたい人

私の生活は単調だが、たまに体調を崩したり、怪我をしたりする。そんな時、いま出生図でこの天体が来ているからですねと教えてくれる人がたまにいる。私は最近あんまりジオセントリック図を見ていないので、教えてもらうと、なるほどと思うし有難い。

しかし中には、私がいつも恒星のことばかり言っているのに、結局は出生図にトランシットの影響を受けているではないかと言わんばかりの人もいる。どんなに上に行こうとしても、お前の肉体は相も変わらず地球にあるのだと言いたげなのだ。このような場合も「お前は人の子だ」と断定し、私を地に繋ぎ留めたいのだと思う。そして自分が宝物のように思っているジオセントリック占星術の有効性を主張したい。ジオの視点だけで十分だろうと言いたいのだ。

ネットでよく見かける言葉で、「家族を幸せにできなければ、宇宙のことに取り組む準備はできていない」とか、「まずは地上の地盤を固めてから」とか、「実生活とスピリチュアルのバランスが大事」などと言う人も、地球人として完璧になることを、他人にも押し付けている節があると常々思っている。しかしこういうことを面と向かって言うと、確かにシュタイナーの言うように、ケンカになるのかもしれない。

カシオペアか、デネブか

しかしこういう勝手な押し付け意見に、スタピとしての二重存在を目指す人が押しつぶされてもいけないと思う。実際、そういうことが多すぎると思うからだ。上に書いたようなことに、足を取られる必要はないと私は言いたい。（そのための例としてあげた）
はじめは自信のないところから、それでも何とか飛び立とうとしている人たちを、私は守りたいと思う。私の場合、その人たちの個の殻は割ろうとするけれど、しかし大きく飛ぼうとすることの邪魔になるようなことはしないよう、細心の注意を払う。
スタピであることを思い出そうとしている人達が大きく羽ばたいて、そしてもはや、何をぶつけられても安定して浮いていられる、もう一人の自分を獲得するまで、私は不安定な人たちを守りたい。これは北斗七星と連動したカシオペア感情なのか、それともデネブかもしれない。そのためには自分も一層精進しなければと思う。