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#3 『本物』に、会ってきました。【前編】

自分のことを見つめ直していく過程で「執事という職業が向いているかもしれない」「自分の理想形にかなり近い」と思うようになり、とにかく情報収集をする日々。執事の方が執筆した本を片っ端から読んだりネットに落ちている情報を自分のマルチリンガルスキルを活かしつつ調べまくったりしていたのだが…イマイチ具体性に欠ける。

いや、「具体性に欠ける」もなにも、おそらく執事になれたところで”既存の執事的な働き方をするか”と言われたら多分NOだし、実際の執事がどんなことをやっているかなんて実は関係ないとは思うんだけど。

それでも何か『リアル』から遠い世界に感じてしまうのは、自分の中で明確なイメージができてないからかもしれない。小学生の語る「大きくなったら宇宙飛行士になりたーい」みたいな感じで、感覚だけで話しているだけなのかもしれない。


…会えないだろうか、本物の執事に。

そんなフワッとした僕の願いは、思わぬ形で叶うこととなった。

『語学の勉強』が新たな縁を

18歳から海外に移住し、現在まで様々な国を渡り歩いている僕が得ることのできた最大の恩恵は『マルチリンガルになれた』ということだろう。

もちろん住むだけで覚えられるわけではないし、完璧に程遠いのは重々理解しているが、コミュニケーションが好きだったのと好奇心旺盛な性格が功を奏し7年間を通してずっと語学の勉強を続けている。

今でも「せっかくここまで覚えたんだし、いっそのこと語学力はもっと伸ばしてしまおう」という思いからコツコツと続けているのだが、そのメインで使っているアプリが『HELLO TALK』だ。

基本無料、有料版でも書籍数冊分の値段で世界中の人たちと語学交流ができるのでめちゃくちゃオススメする。

余談だが、現代における語学習得術は「インプットは無料で、アウトプットは全力で」取り組むのが一番効率いい気がする。僕の場合、ネットで得た知識や話したい内容を翻訳して学んだ単語等を実戦で頭に叩き込む技をしている。ちょっと辛いが間違いなく力になるので試してほしい。

さて、そんな「HELLO TALK」の中で、基本初めましての人たちとフリートークするのが好きなのだが、会話の相性が良かったり向こうが日本語を学びたがってるおかげでスムーズな語学交流ができたりすると長い付き合いになる人も何人か存在する。

その中にオランダ人の友人がおり、たまたま執事学校の話をする機会があった。

そういえば数年以内にオランダに執事学校通うんだー( ・∇・)
『そうなんだ!執事ってすごいねwソムリエは続けるの?』
うーん、わからないけどワインの仕事はしたいなって思ってるよ( ・∇・)
『なるほどー、執事ってワインのことも詳しそうだよね』
でしょー。でも、いまいちどんな仕事してるのか想像できてないんだよね( ・∇・)
『僕の友人に一人いるけど、なんか忙しく働いてるね。でも本人は楽しいって…』
待って!執事の友達いるの!?( ・∇・)
『うん、6年前にイギリスの執事学校通ってたって』
会いたい!その人フランス来ることあるかな!( ・∇・)
『どうだろ、ちょっと聞いてみるよー!』

というまさかの偶然から、なんと『11月の頭はパリで仕事してるらしいから連絡してみる?』とお声がけいただいた。衝撃からわずか3時間で執事に会えることが決定した。聞いたのは9月の末。忙しいだろうにあっという間に数ヶ月先の予定が決まるなんて、この辺りの計画の殊勝さもさすがだと感じつつ、僕は何を話すか綿密に計画を準備し始めた。

会える時間は「30分間」

これは執事に限った話ではないが、僕が自分から『会いたい!』と思う相手のことは徹底的に調べようと努力する。それがお時間を頂戴する側の礼儀かな、とか。発信活動なんかしている人なら特に。

しかし、相手は執事。職業柄あまり身分を大々的に明かしてもデメリットしかないので素性が謎に包まれていることが多い。

今回頂戴した時間は、わずか30分。普段大富豪の相手をしてくださっている方が、いくら友人の頼みとはいえ見ず知らずの外国人に時間を作ってくれただけでもありがたい。

1秒も無駄にできない。

その闘志を胸に、事前に聞きたいことは英語訳まで完璧に用意し、一切の不備内容準備を進めた。きっとこの出会いが、生涯心に残る時間になるのだだと確信して。

【後編に続く→】


文章苦手ながら頑張りました!