ワインをもっと楽しむには「知識」と「感覚」の両方を理解するといいよねって話
多くの芸能人に方が様々な発信をしている中、ワイン大好きソムリエの僕はこんな投稿に目を惹かれました。
「いいワイン飲んでらっしゃる…すごい…」という話を友人にしたところ『何で飲んでないのにすごいってのが分かるの?』とポカーン顔。
「有名なワインだからだよ」と返すと
『有名なワインはいいワインなの?』との返答。
確かに、有名だからといって全ていいワインというわけではありません。中には状況によって上質なものでなかったり、自分の好みと合わなかったりするからです。
「そもそもワインの良し悪しをどうやって判断してるの?」
続けて質問する友人の言葉にその場ではうまくまとめられませんでしたが、改めて考えてみると自分の中でひとつの結論が出ました。
「知識」と「感覚」の両立。これです。
ワインを知る方法は「知識」と「感覚」の保管
僕らみたいなソムリエをしている人間は、ワインを専門的に扱っている職業ですが全てのワインを知っている訳ではありません。
高級だったり世界的に有名だったりするワインだと情報を調べていますが、中には知らないものも当然あります。有名だけど自分が出会ったことのないワインだと「なんだこれ?」ってなります。
そういう時は飲んだことのないワインであってもワインラベルの情報から「もしかしたらこんなワインじゃない?」と推測、予想をするんです。
ワイン勉強中や興味ある!という方々にオススメなのが
『このワインは〇〇だからこんな味かもなー』
という検証を積み重ねていく事です。最初は大雑把な印象の差でしかないでしょうが、徐々に自分の好みや特徴を『知識と感覚』の両方から理解するようになります。
Daigoさんの写真を参考にしながら説明していきましょう。
日本で作られたワインのラベルには日本語の説明があるように、その国で作られたワインにはその国の言語で説明が書かれてあります。
ここがワインを難しくさせている最大の原因。知らなきゃ終わりです。つら。
『知識』の保管が必要になります。
例えば一番右側のワイン。
真ん中には
LE MÉAL
ERMITAGE
M.CHAPOUTIER
の文字が。
日本語で読むと「ル メアル エルミタージュ M.シャプティエ」となります。フランス語ですね。つら。
ここで必要な知識は『シャプティエっていうのがワイナリーの名前で、フランスのとある地域で有名』だという点です。
世界中で作られているワインですが、なんだかんだでフランスワインの有名さは今も健在です。
その中でも更に世界クラスで有名になってるワイナリーや生産者はそこまで多くなく(数百)、ワインに興味ある方はまずここから勉強するのも楽しいかもしれません。
なぜかというと、有名なワインのことを深掘りしていくことで
『シャプティエってローヌ地方で有名らしい』
『ローヌ地方ってフランスの南西部らしい』
『ローヌ地方のワインってこんな特徴があるらしい』
『”エルミタージュ”はローヌ地方の中でも有名な場所らしい』
『”エルミタージュ”ワインはこんな特徴らしい』
『ラベルには2000年と書かれている』
『この地域のこの年代のワインはどんな味がするんだろう』
………etc.
みたいに、他の似たようなワインを見つけた時頭の中で「〜だから〇〇かもしれない」と『知識』で推測できるようになるからです。
そして『知識』で得たイメージのワインを自分はどう感じるか、実際に飲んでみます。もしかしたら、その味はイメージと違うかもしれません。
「このワイン、情報では甘みを感じるって書いてあったけど全然甘くない…むしろ酸っぱい…」
そんな場面にも出くわすかもしれません。
ここから『感覚』の保管が必要になります。
早い話「ワインを飲み慣れる必要がある」ってことです。
ワインの説明は基本的に相対的な味の評価になります。「あなたがこのワインをどう感じるか」ではなく「ワイン全体で見るとだいたいこの味に分類される」という基準なのです。
チョコレートを例に考えてみましょう。
基本的にチョコレートは「甘い」お菓子です。材料はカカオマスに砂糖とココアバター、粉乳など。チョコレートが甘いことはおそらく疑いようもないでしょう。
ではビターチョコレートは?同じチョコレートですがカカオ成分を多く含む上にミルクなどの乳製品も入れないので苦味が増しています。チョコレートだと思って食べたら思ったより苦かった…という人もいるんじゃないでしょうか。
でも僕はビターチョコレートを苦いと感じることはありません。強がりでもなんでもなく、ずっと食べ続けてたら「苦みの中から時折顔を出す甘み」のバランスが心地よく、それにハマってしまうと「苦い」という印象が薄れてしまうんです。
ですが、もし僕がビターチョコを「甘いチョコだよ!」と言って紹介してたらちょっと頭おかしいじゃないですか( ・∇・)
味の評価って、自分がどう感じるか以上に「一般的にどう感じられているのか」を判断することが大事だったりします。
自分はこのワインを重たく感じるけど一般的には『飲みやすいワイン』なのかもしれないし、その逆もあるかもしれない。
そんな感覚のズレを”理解”するためには「色んなワインを飲んで慣れる」しかないのかなって思っています。
「知識と感覚」の両方を理解すればするほど、
ワインの楽しみ方ももっともっと広がりますよ。
ちなみに、この5本のボトルを見て何か感じるでしょうか?
もう少し具体的に言うと「一本だけ仲間はずれがある」んですが、それはどこでしょう?
答えはココです。
答えは「ボトルの首元が細くなっているかそうでないか」の違いでした!
僕らはこの2つの違いを、人間の”肩”に例えて「なで肩」「いかり肩」なんて言ったりもします。
物事全てに必ず理由があるように、この2種類のボトルが使われるようになったのにも理由があります。が、ここでは長くなってしまうので割愛。
こうやって気になったところからワインを知るのも、また1つの楽しみです( ・∇・)
文章苦手ながら頑張りました!