好きな人に理解してもらえる嬉しさ

僕の腕には、細いですが3本くらい、腕に傷があります。

これは10年以上前の大学生にだったころに、自分のことが嫌で、認めてもらえず、不安や孤独感に襲われた時にカッターで自分でやってしまったものです。

傷自体は浅いので全く目立たないし、言わなきゃわからないので敢えて誰にいうわけでもなく、誰にも言わないで過ごしていました。

何故なら、この傷を自分でつけたことについて、理由が理解されないと思ったし、知られたら冷ややかな目で見られるとわかっていたので隠していました。

確か僕が自傷行為をしていたのは、軽いものを含めると小学生5年生位から大学3年生くらいまでだったかと思います。気がつくとしていたこともあったし、言いようのない自分への悲しみが来てやっていたこともありました。そして、それをしていた時には大抵涙を流してしていた記憶があります。

元彼女は僕よりももっと沢山、そして深い跡がはっきりと残っていました。きっと世間では、マイナスポイントになる跡だと思います。けれども僕はそれを見た時に彼女の人生が辛くて、苦しいものだったことをもっと深く認識して、癒してあげたいと思う一つのきっかけになりました。

それは僕も彼女と似たような経験をして、自傷行為をしなければ自分を保てないほど傷ついたという気持ちが痛いほどわかったからだと思います。僕の人生は、ずっと苦痛に満ちていて、生まれてきた理由なんてわからないけど死なないから生きているだけの31年間でした。そう思っていたけど、初めて自分の境遇が、愛した人のためになれるって思えた時に、生きていてよかったし、この娘と一緒に幸せになりたいと心から願えました。

彼女からの傷の話をされた時に、僕も過去に同じようにやっていたことを話しました。彼女の方が辛いのに、僕の過去のことに一緒になって悲しんでくれて、本当に僕は嬉しかったことを鮮明に覚えています。

周りの友人達は、彼女の生い立ちや今の境遇、そして最後に僕に行った仕打ちを含めて、”別れて正解だった”とよく言われます。けれども僕にとっては、31年間の嫌な思いを帳消しにできる位、素敵で優しくて、可愛くて、楽しく過ごせる世界一の女性だと思っています。

ずっと自分のことを理解されない孤独感で作ってしまった腕の傷が、大切な人の心の傷を理解できるきっかけになれたので、今ではよかったと思えています。




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