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ガストのカプチーノのせい。

平日一時間800円。土日一時間1000円。2人目の追加は、プラス200円/時。うちが暮らすファミリーサポートの利用料(初回に登録料1,500円支払いあり)。

親戚も頼れる知り合いも近くにいない核家族の夫婦にとってファミサポは文字通り命綱だと思う。電話一本で協会が調整してくれて、自宅でベビーシッターしてくれ、税金から保険もでている。金銭が介在してるので何の遠慮もいらず、用意しておけば食事の介助もお願いできたり、お散歩に連れ出してくれる。2月、3月の仕事が立て込んでいる時期は毎日来てもらった。

3時間でも仕事に集中できるだけでそれ以外の時間の家事効率、子どもに対する熱量が変わる。加えて、友達も知り合いもいない土地で我が子が他人にかわいがられる様子を見るのは面映ゆく、ここにいてもいいと応援されている気になった。

同い年のお友達もつくってほしいと一時保育に預けている今も、月に1、2度はお願いしリフレッシュしている。いつもは平日なのだけど、パートナーと相談して今回は週末の3時間2人で出かけることにした。

子供2人、4歳と1歳。いつもはテンションあがりきらない週末の家事も今回は話は別。10時前に来てくれたサポーターさんにいつもの3倍速で食事場所やお願い事項を伝え、3センチのヒールをつっかけるように履いておうちの外へ。

自転車で10分、3時間もあるのに移動時間すらもどかしく近所のファミレスでモーニング。

ただのパンケーキが輝いて見える、日曜の朝。本当に自分の食べたいもの、取り分けることを前提としない食べ物を両方の腕を使って食べられる。ナイフをテーブルの中央に置いたり、グラスの水を極端に遠い場所に置かずに、普通に食事を味わうこと。あわただしくプラスチックのコップにジュースを注がずに、自分の飲みたいタイミングでドリンクバーのカフェラテを注ぐ。ゆっくりと、それを体に入れて、表面のカロリーや糖分ではなく、心の栄養がいきわたるのを実感する。

パートナーとは食の好みが違って彼は和食党、私は洋食が好き。特別なときはゆっくりと味わいたい私と対照的に彼は何でも追われているようにがつがつと食べる。せっかく作った夕食も学食並みにさっさと平らげるのが不満に思うこともあるけれど、心に余裕があるときは「こうしておいしそうに食べる姿を見るのが好きだった」とほほえましく見ていられる不思議。

お腹が満たされて、普段思っているいくつかのトピックについて話し合う。私たちはチームだよね。子供たちはいずれいなくなるけど、明日帰省だ家族で集合できるとわくわくできる家族でいよう。コロンビアに戻っても日本でも、きっと楽しく生活できると思う。睡眠は大事だから決まった曜日は寝かしつけをどちらかに任せて眠るようにしよう。お金の使い方も、きちんとできててえらいよね。

パートナーと娘の関係をみていると、父と娘ってこんなに仲が良いんだと思うよ、とぽつりとつぶやいてしまった。私は母子家庭で育って、そんなこと普段は何とも思わないのだけど。ガストのカプチーノのせいだ。

無意識に、人は自分が育ちたかった家庭で子どもを育てているのかもしれない。さすがにそこまでは口にださなかった。



主に書籍代です。