2017年度 慶応女子高校 作文問題 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


 女性に語りかけるヒラリー候補のスピーチは、女性の権利や立場について、彼女が選挙戦をつうじて発信できたことを誇るとともに、女性が政界へ、さらには社会に参画することの難しさを示唆していると考える。というのも、ヒラリー候補自身も選挙戦に敗れたため、男性中心的な政治や社会のあり方を変革するための政治を実現することができなかったと言えるからだ。
 こうした状況は、日本においても同様であると考える。たとえば、日本における女性国会議員比率は、先進国中でももっとも低く、女性でありかつ首相になった人はこれまで誰もいない。それゆえ、政治という非常に重要な仕事においても女性の参画が進んでいないのであれば、そのほかの職業においても女性の参画が遅れていることは想像に難くない。したがって、ヒラリー氏が「最も高く、最も硬いガラスの天井」と呼ぶものは、女性の地位や権利が未だ社会の中で認められていない事態を指すのだと解釈できる。他方で、ヒラリー氏のスピーチでは、この事態がいつか打破される希望についても述べている。したがって、ヒラリー氏の世代で成し遂げられなかった女性の地位や権利の向上は、私たちの世代で達成できるようにしたい。そのためには、単に権利や不満を主張するのみならず、他者を説得する論理や知恵を身につけたいと考える。それゆえ、私たち女性が学び続けることが社会を変える第一歩になると考える。
(586字)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?