2018 佐賀大学 教育学部 学校教育課程 小中連携教育コース 一般入試(後期日程) 小論文 模範解答

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現代のようにグローバル化した環境においては、今後、自身とは異なる価値観や文化的背景を備えた人々と遭遇する機会がますます増え、多様で異質な他者と共に生きることが相互に要求されると考える。なぜなら、気候変動などによる環境変化が及ぼす地球規模の影響は、全人類的な課題であり、これからの時代においては、国や地域を超えて、あるいは多様な価値観や文化的背景を相互に認めながら、国家や人種、宗教が異なる人々とも協働して、多様な課題に取り組むことが求められる。したがって、学校教育においても、地球規模の世界的な課題に取り組もうとする価値観や行動を生み出しうる人材を育成するためのE S D教育が必要だと考える。
 私がE S D教育を実践するならば、国際理解学習をテーマとして取り上げ、私たちとは異質な他者といかにして協働しうるかについて考える機会にしたいと思う。なぜなら、世界的な問題に対しては、多様な人々と妥協点を探り合いながらも、粘り強く話し合い、協力し合う必要があるからだ。さらに、私たちは異質な他者に対して寛容となり、異質な他者との共有点や妥協点を探りながら、共に生きる力を身につけていくことが必要だと考える。なぜなら、自分とは異なる他者と共に生きるためには、誰もが自分のあり方や考え方を押しつけたり、文化的多様性を認めない事態を回避していく必要があるからだ。そのためにも、今まさに隣にいる他者の異質性を認めながらも、共に生きようとする意志を持ち、皆が多文化共生社会の形成に努めることを理念とした教育が必要だと考える。さらに、この多文化共生を目指す教育においては、異質な他者とわかり合うことを前提とはしない。なぜなら、どのようにしたら他者と上手く付き合うことができるのかが課題となると考えるからだ。それゆえ、他者との接触について多様なケースを想定した、実践的なプログラムを展開する必要があると考える。(791字)

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