2019年度 慶応女子高校 作文問題 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


 資料のような調査結果が生じた原因は、二十代の若者が、非正規雇用、格差社会、世代格差といった現状を受け止めながら、この現状に甘んじて満足し、調和していく志向が強いからだと考える。
 というのも、現状に対する不満や葛藤を抱きながら生きることはストレスとなり、若者にはそうしたストレスに対する耐性が未熟であり、ストレスを回避しようという傾向があると考えられるからだ。しかし、次代を担う若者がこうした調和志向を持ち、現状に満足することは、これからの社会を形成し、維持するためには問題だと考える。というのも、現状に対する不満や懸念が、進歩や革新の原動力となることが多いと考えるからだ。それでは、こうした傾向を持つ若者は今後どうあるべきだろうか。
 若者が現状に満足していること、そのこと自体を否定はしない。しかし、現役世代の若者がこれから社会を牽引していくためには、現状の問題点を正確に把握し、そのつど柔軟に対処していく必要があると考える。というのも、今後、少子高齢化が進み、社会の構造も変わっていくことによって、多様な課題が出てくることはすでに明らかだからだ。したがって、若者世代が現状に満足するだけではなく、自分たちの社会が抱える問題や不満、矛盾などに向き合っていくことが求められると考える。そのためには、自分の抱える不満や葛藤にも目を向け、満足するだけの人間にならないことが重要だと考える。(589字)


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