2016 大阪府立大学 地域保健学域 看護学類 一般入試(前期) 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


問題I
問1:第一に、視覚障害者の大半は点字を使っておらず、第二に、点字を理解する能力と触覚の鋭さとはまったくの別物だから。(55字)

問2:点字の読み書きは習得が難しいうえに、電子化やインターネットの発達によって点字の必要性自体が減少しているから。(54字)


問3:「見えないなら触れるようにしてあげればいい」という考えに基づくと、見えない人に図形や絵の情報を伝えるためには、それを立体コピーしたものを渡せばいいということになる。しかし、それが細かい図であれば線が混ざって模様のようになり、理解が難しくなるし、見えない人からはそのことを言い出しにくいので、結果として意思疎通がうまくいかないということになる。さらに、見えない人にとっては触ること自体が楽しいわけではないのに、触覚=快感という見える人の価値観を押しつけたり、公共の場で触覚が否定的な印象を与えることを気にする見えない人の気持ちを無視することになったりする。(277字)


問題II
問1:自分とは何かを問うとき、自己を実体的、抽象的に考えるのではなく、どんな生き方をしているのかを具体的に考えること。(56字)

問2:自分自身について誰かに話すときには、目の前にいる聞き手の反応をモニターしながら、できる限り共感や承認を得られるように、話す内容や語り口を選ばなければならないということ。(84字)

問3:人に対して自分のことを語ると、過去の出来事がこれまでとは違った意味を持つ出来事として浮かび上がってくる。それは、その出来事が今の自分の視点と聞き手の視点から再評価されるからである。だから、過去の自分によって思い出すのも嫌だと評価された出来事が、人に説明するなかで、現在の自分による再評価や他人からの評価を受けることで、たいしたことがないと思えてくることもある。このように、語り手と聞き手の相互作用をとおした再評価によって自己物語が変容し再構築されることが、人に対して自己を語ることの意義である。(247字)

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