2018 埼玉県立大学 編入学・社会人特別選抜 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


Ⅰ.
問題1
ポイント1
近年の自動車事故と犬のかみつき事故の発生件数ならびに死者数に劇的な変化は見られないこと。(44字)

ポイント2
近年の事故発生件数に対する死者数の割合は、自動車事故も犬のかみつき事故も1%未満であること。(46字)

ポイント3
自動車事故の発生件数と死者数は、常に犬のかみつき事故のそれらの数値より圧倒的に多数であること。(47字)




問題2
事故に関する報道のあり方はどうあるべきだろうか。表1からわかるように、近年は自動車事故も犬のかみつき事故も、その発生件数が劇的に減少することはなく、ほぼ数字は一定である。この数字から、事故に対する報道が、それを見聞きした者へ影響してはいないことがわかる。しかし、事故が報道されることによって人々の行動や考え方に影響がなければ、事故は減ることはなく、報道の意義が問われると考える。それゆえ、私は事故に関する報道は、事故についての事実を正しく伝えることはもとより、妥当な対応策や解決策を繰り返し提示すべきだと考える。
たとえば、課題文1は女児が犬にかまれた事件を報道するものであり、犬のかみつき行動の理由や分析について、専門家の意見を挙げている。一方で、課題文2は、大規模な交通事故が重なったことを受けた社説であり、社説の執筆者による事故への対策案が述べられている。しかしながら、課題文2では対策案や事故の分析について専門家の見解が述べられてはいない。提案されている対策案が実行可能なものなのかどうか、さらに効果がある対策なのかどうかも不明である。したがって、事故の報道内容には、専門家による検証や分析が必要だと考える。
また、犬のかみつき事件の発生件数は、交通事故に比べると少なく、報道頻度も交通事故には劣ることが予想される。しかしながら、一般に、われわれは報道を見た際に事故の対策や事故から学ぶ反省点への意識を高めると考える。それゆえ、専門家による有効な対策やアドバイスがあるならば、事故が起こったときだけではなく、繰り返し注意を喚起する報道を行っていくべきだと考える。(683字)


問題1
床に落ちた食べ物に菌が移る要因は、食べ物への菌の付着率に差異があることから、食べ物の種類、床の材質、経過時間が影響すると考えて実験が実施されている。(74字)


問題2
床の材質と食品との組み合わせごとに、5秒までの菌の付着率を見てみると、パンは床材が木材、カーペットの場合には、菌の付着率が0.1%から10%を下回る程度の推移を示す。したがって、「5秒ルール」が適用できると考える。しかし、タイル、ステンレスでは5秒で菌の付着率が10%を超えるため、「5秒ルール」の適用判断が難しい。バター付きパンでは、床の材質にかかわらず菌の付着率は1%未満のため、「5秒ルール」が適用できると判断できる。グミも同様に床がどの材質でも、5秒では菌の付着率は0.1%を下回るため、「5秒ルール」を適用できると言える。さらに、実験からグミは菌が付着しづらい食品であるとも言えるだろう。スイカについては、カーペットでは、5秒経過しても1%未満である。しかし、タイル、ステンレス、木材が床材の場合には、1秒未満でほぼ10 0%に近い菌の付着率を示す。それゆえ、すいかは、床の材質によっては「5秒ルール」が適用できないことがわかる。
以上のように、食品の種類や床の材質によって菌の付着率は大きく変わるため、他の床の材質や食品の種類については同様の実験をしなければ、「5秒ルール」の適用は判断ができない。したがって、「5秒ルール」というように時間の経過だけで食べ物が安全かどうかを判断することができず、「5秒ルール」を一般化することができないため、「5秒ルール」は適用できないと言える。(586字)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?