2016 国士舘大学 体育学部 スポーツ医科学科 推薦入試 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


 高齢者の救急搬送が増加している事態に対して、救急救命士の取り組みとして大きく二つの対策が考えられる。
 第一に、高齢者のかかりつけ医や総合病院、また高齢者福祉施設職員との連携体制を構築することである。高齢者の救急搬送が増えているのは、高齢化の進行に加え、一人暮らしや夫婦二人の世帯で身近に頼れる人がおらず、比較的軽い症状でも救急車を呼ぶ例が少なくないとみられるからだ。したがって、高齢者に対するスムーズな救急搬送体制を整備する為に、かかりつけ医や近隣の総合病院とも密接な関係構築を行うことが重要だと考える。また、一定の救急車の利用が見込まれる、高齢者福祉施設においても救急件数の減少及び救急出動の円滑化について理解と協力を得るべく調査研究を実施し、対応策として救急要請についてのマニュアル作成など行い、施設管理者や介護者との連携を図ることが考えられる。
 第二の取り組みとして、救急車を呼ぶべきかどうかの判断の相談窓口として、救急受診アプリや「救急安心センター」への電話相談を利用してもらうための啓発活動を行うべきだと考える。というのも、高齢者の搬送者の増加に対して、救急救命士の人員や救急車の台数にも限りがあるため、比較的軽い症状において救急搬送を行うべきか否かについて、市民の側での判断を行ってもらう必要があるからだ。そのために、救急救命士による講習会などを実施していくことが有効である。

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