2017 順天堂大学 スポーツ健康科学部 推薦入学試験 小論文 模範解答
東京オリンピック・パラリンピックのオリンピックレガシーとして私が期待するのは、観光立国に寄与する、外国人旅行客を迎え入れるための施設、設備、サービスの充実化とその存続である。このように考える理由は、大きく二つある。第一の理由は、日本は今後、観光立国としてインバウンド需要の拡大を推進するという政策を打ち出しているからだ。第二の理由は、日本の少子高齢化社会において、これから外国人労働者も増加することが予想され、外国人との共生は日本社会にとって課題となると考えるからだ。上記のような狙いにおいて、一番の課題となるのは、外国人とのコミュニケーション、すなわち言語の問題である。
東京でのオリンピック・パラリンピック競技大会では以下のようなインフラ、サービスを提供した上で、競技大会後もそれらを活用し、多様な外国人とのコミュニケーションがとりやすい環境整備が行われることが望ましい。たとえば、各種観光案内における外国語表記の増加はもとより、バイリンガル、マルチリンガルスタッフの雇用が挙げられる。また、サービスのためのインフラ整備として、外国人に対応した観光案内所の敷設、ICTやAI技術による多言語翻訳システムの開発、民間事業者による精度の高い言語翻訳字幕サービス事業の展開などが挙げられる。
東京でのオリンピック・パラリンピック開催から10年以降には、日本では都市部だけではなく地域にも外国人とのコミュニケーション支援サービスが広がっているだろう。そこで私は、外国人に道を聞かれても、コミュニケーションを取ることができない日本人ではもはやなくなっていたい。また、目標としていたアスレティックトレーナーとして働いている私のクライアントには、外国人のアスリート選手も多数おり、私は各国のアスリート選手が切磋琢磨する環境の一端を担っていることができればと考える。
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