2018 大阪府立大学 地域保健学域 看護学類 一般入試(前期) 小論文 模範解答
問題I
問1:巣の候補地の方向に加えて、その候補地を蜂がどの程度良いと知覚したかということ。(39字)
問2:あるアイドルグループの曲が、音楽的にはあまり優れていないのに、良い評判につられて人気が高まり、雪だるま式に売れるが、しばらく経つと誰も見向きもしなくなる。(77字)
問3:集合知が生まれるには、第一に行動の同調が必要である。行為者であるミツバチは、ほかのハチたちの熱心なダンスに同調することで、良いとされる候補地を訪問しやすくなる。第二に必要なのは評価の独立性である。ハチは、自分が訪れた候補地を評価する際、ほかのハチたちによる評価の影響を受けず、自分の目だけを信じて評価する。この評価の独立性によって、ほかのハチに同調してある候補地を訪れても、訪問先の質が良くないと判断した場合、そのハチはあまり熱心に宣伝をおこなわないので、エラーが群れ全体に広がることはない。(246字)
問題II
問1:「あのときのキモチ」とは、母のおかずだけがいつも少なく、しかも残り物ばかりであったことを見た「ボク」が感じた、自分のことを常に守ってくれていた母が、休まるはずのご飯のときにまで苦労しなければならないことに対する不条理さと、母がそれでもなお子供の笑い声と元気に遊ぶ姿に生きる意味を感じていたという私の推測のことである。(158字)
問2:人を想い、痛みを理解するとは、相手の内部世界を自分の脳内に築き、そうする自分が脳内に別にいて、相手の内部世界と自分がたがいに共鳴するのを外から眺めることである。ある人を思いやるとき、その人の顔や姿、声などが浮かんでくる。そして情動が無意識に顔や心臓、肺を動かし、感情を誘う。このとき、事態は、まず相手の気持ちを知り、そのあとで相手の表情に同調するという順序で生じているのではない。最近の研究によれば、相手の表情を見ると、無意識のうちにこちらの顔の表情筋も真似したように動く。こうしたいわば自動的なプロセスのなかで、われわれは相手の感情を直接に知覚するのである。(280字)
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