2014 北里大学 看護学部 一般入試 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


筆者は、常に元気で明るく振る舞うことは、人間として不自然だと言う。というのも、常に明るく元気な振る舞いは、相手に気を使ってのことであり、自然な人間のあり方ではないからだ。したがって、常に元気で明るく振る舞うことは、人間として不自然なコミュニケーションということになる。
 私は、常に元気で明るい振る舞いが人間として不自然だとは思わない。なぜなら、人間関係のはじまる最初の場面では元気で明るいことが相手に親近感を覚えさせ、最初の印象を良くすることになると考えるからだ。
 たしかに、筆者の述べるとおり、相手への気づかいから意識的に明るく元気でいようとすることにはエネルギーが必要である。また、後には疲労と虚脱を感じることもある。しかし、意識的に明るく元気でいることが有用であるような場合もあると考える。たとえば、初対面の人に会う場合には、相手が陰気で何を考えているか分からないような人よりも、明るく元気に話ができる人間のほうが、人間関係をこれから作っていくうえで好ましいという印象を与える。だから、一般に面接などでは明るく元気に応対することが重要だと言われるのだと思う。
 以上より、常に元気で明るく振る舞うことがコミュニケーションにおいて不自然だとは言えないと考える。問題は、「常に」元気で明るく振る舞う点にある。コミュニケーションの相手によっては、そのように振る舞う必要がない場合もあるし、そうしないほうが自然だと言える場合もあるだろう。つまり、相手との関係性や場面、年齢などによってコミュニケーションの仕方は変わるということだ。元気で明るくというよりも、むしろ常に一定の姿勢や態度でコミュニケーションに臨むことが不自然だと考える。したがって、多様な関係性のなかで、社会的な文脈に配慮し、適切なコミュニケーションを図ることが重要だと思う。(764字)


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