2016年度 慶應義塾大学 看護医療学部 小論文試験 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


問題1.
ビールを飲みながら活発に議論を行う外国人の様子から、ビールを飲むという行為が外国人にとって社交の意味を持つことを見抜き、日本人の酒の飲み方と対比しながら、外国人の特徴を正確にとらえていること。(96字)



問題2.
課題文によれば、日本においてもまだ身分の違いにもとづく階級制が社会制度の中に存在する時代に、福沢諭吉は咸臨丸のなかにおける階級制のあり方に憤慨し、二人の最下級の水夫と親しくした事実があったことが述べられている。こうした福沢諭吉のエピソードからは、福沢諭吉が階級や身分、職業の貴賤によらず、どのような人間とも平等に、対等に向き合おうという考え方を持ち、かつその実践を行っていたことがわかる。それゆえ、彼の考え方が旧来の階級制から解放されているという意味において、リベラリズムの思想であると言える。
彼が持っていたリベラリズムの思想は、今でこそわれわれにとっては当然のものに思われる。しかし、階級制が社会制度として残る時代に、当世の社会制度や体制を否定するリベラリズムの思想を福沢が有していたことは、福沢の先進性を明確に示すものだと考える。というのも、現行のあり方とは異なったものの見方を得るには、時代の先を見通す力が必要だと考えるからだ。たしかに、リベラリズムは、一見すると現行の体制や慣習を否定するように見える。しかし、旧来の体制や慣習を批判的に見つめ、現に存在する事柄とは異なった新たな知や価値観の創発を行う点に、リベラズムの意義があると考える。それゆえ、リベラリズムの思想を得るためには、物事に対して批判的な観点を得たり、多様なものの見方を備えることが重要だと考える。(585字)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?