2011 北里大学 看護学部 一般入試 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


 筆者は日本中を歩いてまわった宮本常一の生き方を例に、人と同じ速度ではなく自分のペースで生きることの重要性を主張している。ゆっくりと生きることの利点は、物事を丁寧に見て、誰もが気がつかないことに気がつくことができる点にある。その結果、他の誰とも異なる自分らしいあり方や考え方ができるということだ。しかし、一方で筆者はゆっくり生きるためには、生きるための知恵がいるとも言う。
 筆者も述べるように、スピードが重視される現代において、ゆっくり生きようとすることは私も難しいと思う。なぜなら、人と同じ速度で生きなければ、周りから置いていかれると感じ、実際に置いていかれることにもなるからだ。つまり、ゆっくりと生きることは、他人とは異なる生き方をすることでもある。そして、人と異なる生き方は、頼るものもなく不安になるだろう。だから、人は皆と同じ速度で生きようとするのだと考える。したがって、ゆっくり生きるためには知恵や工夫がいるだろう。
 ゆっくり生きるための知恵として、私は他人と自分とを比較することをやめることが大切だと考える。人と自分とのあり方を比べてしまうから、自分と他人との速度やあり方に差があるように思われる。それゆえ他人と同様の速度で生きようとし、ゆっくりと生きることができないと考える。したがって、ゆっくり生きるためには、他人と自分を比較することをやめることが必要である。
 他人と自分を比較することなく、ゆっくりと生きることができるならば、自分の望むべきあり方も見えてくるだろう。自分が望むあり方は、他人の速度で生きているうちは見えてこない。以上より、ゆっくりと生きることは自分らしく生きることでもある。自分らしく生きるためには、他人と自分を比較することをやめ、自分の速度を見つけることが重要だと思う。(749字)


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