2019 国士舘大学 体育学部 スポーツ医科学科 AO入試 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」

 課題文からは自宅や高齢者施設で最期を迎える人が増える中、心肺停止になった際に家族らが119番通報して、駆けつけた救急隊に心臓マッサージなどの蘇生処置を断るケースが相次いでいることがわかる。家族からの蘇生措置の拒否は、現場の混乱をまねくと考える。というのも、家族は当事者の意思を尊重したい一方で、救急現場において救急隊は命を救う「救命」を使命としているからだ。こうした混乱を防ぐためには、どうしたら良いだろうか。この問題に対処するために、大きく二つの方法が考えられる。
 第一に、医師や救急救命士も含めて当事者と事前の取り決め、コンセンサスを得ておくことが必要だと考える。なぜなら、現場において救急隊は独断で判断できないからだ。それゆえ、事前に対応を決めておけば救急救命士は蘇生や搬送を中止できるような対応が可能になる。そのためには、当事者だけではなく家族を含めた議論が必要だと考える。
 第二に、救急救命士は実践的な生命倫理のあり方ついて学びを深めておくことが望ましいと考える。救急救命士としては、家族や本人の意向に沿うことが望ましいものの、命の終わり方、終わらせ方については高度な倫理的判断が求められるからだ。したがって、蘇生を中止するような手順を選択できることを、これからの新しい救命の考え方として受け入れていくためにも、生命倫理について学ぶ必要があると考える。(579字)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?