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僕がタバコを辞めた話(第三回)

  褒められてやる気になったとはいえ、1ヶ月も経つとちょっと褒められるくらいでは耐えられない禁断症状が襲って来るようになります。

  実はこれまで、タバコは吸っていませんが、どうしても我慢できない時は、他人の副流煙を吸っていました。ファミレスやカフェなどで喫煙席を選んだりして(10年前の話です)、恋しい香りを楽しんでいたのです。しかしある日、僕にタバコとの完全な決別を決心をさせる事件が起きました。それは、ある年配の男性がタバコを吸った直後に話しかけて来た時の事です。タバコと加齢臭で、とんでもない匂いになっているのに気づいた事でした。その匂いは性格や収入、そして外見をも凌駕する、ネガティブな理由になる程の強烈なものでした。

  禁煙に失敗して将来的に喫煙を続ければ、僕はあの匂いを発する可能性があるのだと思うと、まだまだモテたかった当時独身の僕は、もう2度とタバコは吸えないなと心の底から思ったのです。

  禁煙を決心して部屋の喫煙具を全て処分し、3ヶ月が経ちました。しかし、禁煙の難しさはここからでした。

  頻繁にタバコの夢を見るのです。その夢には大きく分けて2種類ありました。ひとつは、禁煙の事実が無くなっているパターン。普通の日常として、旨い一服をする夢です。もうひとつは、ついうっかり吸ってしまって、禁煙に失敗してしまうパターン。自己嫌悪に苛まれます。どちらにせよ、目が覚めれば「夢で良かった」と胸をなでおろし、夢でもタバコは旨いんだなぁと、変なことに感心したりして、そんな夢を平均3日に1度のペースで見ていました。禁煙を始めて3ヶ月が過ぎても、まだタバコは僕の周りをウロウロするのです。

これは何か戦略を立てなければ、ここまでの苦労が水の泡になるかもしれない!と、僕は知恵を絞り、タバコをガマンするための、ある方法を思いついたのです。その名は!

いや、名前とか付ける程のものじゃなかったです。再掲時に削除しました。


つづく

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