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ポルカロープの片割れより

瀬戸内アートブックフェアも終わり、東京に戻ろうというところです。

今回のイベント、旅は、色々な意味で実りの多いものとなりました。それもこれも、イベントを主催、運営下さったスタッフさん方や、いつも応援してくださる皆様、今回気に止めて、本を手に取ってくれた皆様、何より、このイベントに行こうと言ってくれたもう片割れに、本当に感謝です。

イラスト、デザイン担当の僕としては、ポストカードや原画の多くが皆様の手元に残る形となったので、自分の作ったものが、人の生活の一部となることに、改めて想いを馳せています。芸術を学ぶものとして、今芸術が置かれている状況は、あまり芳しいものでは無いと感じています。でもその中で、皆様が私のような無名の作家の絵を手に取ってくれること、価値があるとお金を払って頂けること、持ち帰って、額に飾ってもらってるのかな、等と想像出来ること、その一つ一つが、何よりの励みになります。文化を根絶やしにしてはいけないと、芸術を死なせてはいけないと、強く想います。

先日、私の先生でもあり、瀬戸内トリエンナーレの出展作家でもある山川冬樹さんが、「私が子供の頃好きに絵を描き、写真を撮れていたのは、そうできる自由のために闘った大人がいたからで、今度は私の番だ」ということを仰っていました。私も、それを強く感じました。私が今こうして本を書けること、素晴らしい友人に出逢えたこと、絵をかけること、それを皆様に届けられること、全てが当たり前ではありません。そのために闘った大人達がいたからなのであれば、私も未来の子供達の自由のために、闘いたいと、想いを新たにしました。

今回のイベントで、私はひょんなことから、ひとつの大きな絵を描くことになり、1日かけてなんとか描きあげ、それを買って頂きました。お値段は、それ相応のものだとは思いますが、それにしても、学生の私にとっては、大きいものです。自分で値段を付けておいてこういう事を言うのも変ではありますが、正直、買っていただけるとは思っていませんでした。

この歳になってようやく分かったことではありますが、自分の価値と、人の価値は大きく違うことがあります。人にかけた小さな気遣いに、とっても感謝してもらったり、本当に小さなことだと思っていたことで、相手をとても怒らせてしまったり。皆さんも経験があるのではないでしょうか。ただ、あえて自分をアーティストと呼ばせてもらうのであれば、アーティストとして何より嬉しいのは、作品を評価して頂けることだと思います。それは、見ることや、作品を買うこと、批評してもらうこと、などが含まれています。ちょっと時間があるから、展示見てみようかな、とか、この絵いいかも、手持ちも少し余裕があるし、という時は、ぜひその余裕に従って動いてみてください。アーティスト(少なくとも私)は、皆様のそんなお心遣いを栄養に、生きています。笑

重ね重ねになりますが、皆様、そしてポルカロープの片割れ、いつもありがとうございます。

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