「ネタくっといて!」
コテンラジオのプロデューサーである樋口聖典君が移動中の車内で録音している「樋口聖典の世界」にて、僕が前々から思っていたことについて言及していたので、ちょこっと取り上げてみます。
芸人の世界でよく使われる「ネタくって」に関して
お笑いの世界で生きていると「ネタくっといて!」という言葉を聞くことがあります。ニュアンス的には「事前にネタを準備しておいて!」と捉えられるのですが、たまに「ネタくわせといて!」とか「あえてネタくわずにいきます!」という表現をされる人もいらっしゃいます。
「くっといて」の部分を僕なりに漢字変換すると「繰っといて」になるので、元々の形は「繰る(くる)」となります。でも、「くわせといて!」と言われると「繰る(くる)」の活用形とは合わない。それならば「繰らせといて(くらせといて)!」が正しいのではないか・・・。
このようなモヤモヤを生み出してしまう原因はなんだろう・・・というわけで、その原因を探るべくChatGPTを相手に壁打ちしてみました。その壁打ち内容をまとめたのが以下です。
「繰る」と「食う」の混同について
言葉の意味と活用形:
「繰る」(ラ行変格活用)
未然形:繰ら
連用形:繰り
終止形:繰る
連体形:繰る
仮定形:繰れ
命令形:繰れ
テ形:繰って
「食う」(五段活用)
未然形:食わ
連用形:食い
終止形:食う
連体形:食う
仮定形:食え
命令形:食え
テ形:食って
音韻的類似性と混同:
「繰る」と「食う」のテ形は発音が同じ「くって」になる。この類似性が、混同や誤用の原因となっている。
テ形の表現の変化と誤用:
「ネタをくって」というテ形の表現が使われ始め、これが「繰る」から「食う」へと誤用されるようになり、「ネタを食う」という表現が定着した。
意味の広がりと進化:
「くう」の比喩的な意味が「ネタをくう」という表現に適用され、誤用が定着することで言語の進化が起こり、新たな用法が生まれた。
「ネタ繰り」の語源と由来
「ネタ繰り」は落語の伝統用語として始まり、物語を巧みに進める、展開するという意味で使われていた。この用法がお笑い業界などで広く使われるようになり、ネタを準備する、事前に考えておくといった意味で使われるようになった。
まとめ
「繰る」と「食う」の混同は、ラ行変格活用と五段活用の違い、音韻的類似性、テ形の表現の変化と誤用、意味の広がりと進化によって生じる現象です。また、「ネタ繰り」の語源と由来は、言語の進化と文化の変遷を反映しています。正確な意味を伝えるためには、言葉の背景と文脈を理解することが重要です。
いかがでしょうか。日本語って面白いですね。ちなみに、僕が十数年前からお仕事させて頂いている福岡よしもと界隈では「ネタをくって」という表現を聞いたことがありません。地域で差があるのも実に興味深いです。
さて、飯くってきますね。
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