PoliPoliが実現する民主主義のアップデートについて
政治とは社会の意思決定です。もっと教科書的にいうのであれば、「様々な利害を調整し、社会全体で意思決定をしていく行為」です。
インターネットも無かったような数百年前に生まれた今の民主主義の形では、変化し続ける社会に対応することはむずかしくなってきました。事実、誰もが関係しているはずの政治に対しての無力感を感じることが多くなっています。
ただ、この民主主義の限界は、特定の個人が悪いわけでなく、時代の必然だと考えています。
民主主義をこの時代にあうようにアップデートして、政治という社会の意思決定をよりよくすることはできないのでしょうか?
PoliPoliの会社設立2年の記念日の今日、僕が考える民主主義のアップデートについて、このnoteに書きました。
前半は大きな時代の流れについて、後半はこの時代に必要な政治プラットフォームについて書きました。
時代背景① イシューの乱立
時代にあった民主主義を考えるにあたって、まず考えたいのは「少数派」の台頭についてです。
これはどういうことかというと、これまでは可視化されていなかった社会のイシューが、インターネットによって可視化され、社会として取り組むべきイシューが乱立するようになった、ということです。
このことを分かりやすくするために、学校のクラスを例に使って説明します。
30人のクラスに1人だけある身体的特徴をもった生徒がいたとします。マス社会では、テレビや新聞が基本的には大多数の人が関係する情報を発信しますので、この「少数派」の生徒はクラスという小さなクラス内では「変わり者」としてそのニーズは無視されたり、時にはいじめられたりします。仮に多数派の29人のうちの誰かが大人になって政治家になったとしても、基本的にこの「少数派」の人たちと会う機会は多くないので、この1人の生徒のことは意思決定に入らず、多数派のための政治を行います。
ただ、現在ではSNSなどインターネット上で、この30分の1の生徒が声を上げることができ、全国の同じ特徴を抱えている人たちはつながることもできます。すると、全国1億人で見れば、300万人がこのような特徴を持っていたんだということが可視化されます。
つまり、『少数派だが、政治家も気にしなければならない』ほどの母数を持った課題の存在が可視化されることになります。
そうして、政治側はこの300万人のニーズを完全に無視することはできなくなり、意思決定の机上に上がるようになります。
すると今度は、29人という多数派の中でも、「実は私も外見からは見えないけれども実は人とは変わっている特徴があって、、、」というようにインターネット上で声を上げたり繋がったりして、どんどんと「少数派」が台頭してきています。
政治側は、これまでは9割の人が関係するイシューについて決定していけばよかったものの、どんどんと乱立していく「少数派」のニーズに応えるように要求されるようになりました。
そして、政治に無視され続けている人たちからすると、数百万人の人たちが関係しているということが可視化されているため、自分たちに対応してくれない政治への無力感を感じざるを得ません。
政治家を選ぶ投票に関しても、イシューが多種多様になってきたため、昔に比べて自分の興味があるイシューに対して及ぼす一票についても効力が薄くなります。
時代背景② 個のエンパワーメント
インターネットの誕生以後、個人の力は強くなり続けています。例えば、昔であれば、個人がクラウドファンディングを通じて大金を集めたりすることは考えられませんでした。
情報の流通においても個のエンパワーメントは加速し続けています。昔であれば、テレビや新聞の人たちに認められないと多くの人に発信することはできませんでした。しかし、SNSなどインターネットの発達により、誰でも簡単に世界中の人たちに情報を発信することができるようになりました。
情報発信だけでなく、昔は一部の有識者しかアクセスしにくかったような情報にも、誰もが気軽に情報にアクセスできるようになり、個人が賢くなり続けてもいます。
一方で、フェイクニュースなどあらゆる情報に嘘や誇張が存在する可能性を認識した個人は、正確な情報を獲得する必要性にも駆られています。
時代背景③ 決定量の限界
会社でもそうですが、組織や事業が拡大すればするほど、トップの権限を下に移譲していかねばなりません。
SNSなどのインターネットの発達により情報量が指数関数的に増え社会が複雑になるにつれ、政治家がしないといけない決定量も増えていきます。
社会としての決定量が増え続ける中、迅速かつ正確に意思決定をしていくには、今までの政治家や官僚組織だけでは足りないと言わざるを得ません。
また、君主専制からはじまって民主主義に至ったということは、情報量が多くなったことにより人々へ決定権を移譲しつづけたから、という視点でも説明できます。
この時代に必要な政治プラットフォームについて
政治への無力感が拡大し続ける中で、この時代に必要な政治プラットフォームを考えていきます。
昔のマス社会時代の政治家と人々の関係は以下のような形でした。
基本的に数少ない大きなイシューがマスコミによって発信され、人々は基本的には投票によってのみ政治に対してフィードバックしていました。
前半の時代背景で説明したように、今は以下のような状況になっています。
多種多様なイシューに対して興味ある人が可視化され繋がっていきます。
政治家側も多くのイシューに対応していきますが、政治家に対応されないイシューDに関心がある人々や対応されているが情報が届いていない人々(画像左)は政治家に対応されていないと感じ、政治に怒りや無力感を感じています。
また、昔よりもイシューが多様化し増えていくので、政治側も決定量が追いついていません。
これらの問題を解決するために、政治家と人々の関係をなめらかにする政治プラットフォームが今の時代に必要だと考えます。
具体的には、以下のイメージのような働きをするプラットフォームが社会の意思決定をよくするために必要だと思います。
まず政治家が取り組むイシューがこのプラットフォーム上では全て可視化されています。
そして、政治家が取り組むイシューに対してのアプローチ方法にある程度賛成できたら、このプラットフォーム上で政治家と一緒に政策を進めるのに協力することができます。
まだ、政治に対応されていないイシューに対しては、政治家が社会的に意義があると判断した場合、このプラットフォーム上で政治家側の意思決定のプロセスに入れられます。(左のイシューD)
政治家を選ぶ投票に関しては、自分の関心があるイシューに関してのマッチ度や全てのイシューに関しての進捗の仕方、様々な利害を調整できる人間力など、総合的な判断で、投票する政治家を選んでいくようになると思います。
そして、このプラットフォームが僕らPoliPoliの理想像です。
おわりに
19歳の時にPoliPoliを会社として立ち上げて今日で2年になりました。遅いような早いような。。。感慨深いです。
これまで応援して下さった方々には本当に感謝の念でいっぱいです。ありがとうございます。
(2月のアンバサダー会より)
起業当初から「政治を変える」ということは変わらずも、2年間色々な試行錯誤を重ねてきました。
そして今、僕らPoliPoliのビジョンは史上最高の政治プラットフォームをつくることです。
お話したようなことが完全に正しいとは思ってはいませんが、試行錯誤をしながら引き続き、史上最高の政治プラットフォームをつくっていきます。
応援したいという方がいましたら、ぜひ企画や新機能を一緒に考えるアンバサダーのグループに加わって頂けると嬉しいです! ⇨ https://join.slack.com/t/polipoli-fan/shared_invite/enQtODg0NDE4NDAxMDI4LWY0MDUyYWQzYzE0ZGI5Njg4NmU5OGMzMDk2MmRjZDkyNDMxYWZkMjlhMDk5MjZiMjI3MWY0YWU4NTk4NTVjYTI
長文を読んでいただきありがとうございました!
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<このnoteを書くにあたって、参考にした本>
第三の波 (アルビン・トフラー)
未来政府 (ギャビン・ニューサム)
NEXT GENERATION GOVERNMENT(若林 恵)
その他、慶應の図書館(メディア)にある政治学の本たち
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