第160回若手・中堅による政策勉強会(ウェルネスツーリズムの現状と課題/講師:西村典芳 流通科学大学教授)を開催しました。
2024年11月11日(月)、(一社)次世代政策デザイン研究所は、 第160回若手・中堅による政策勉強会を開催し、西村 典芳 流通科学大学教授/日本ウェルネスウォーキング協会会長より、「ウェルネスツーリズムの現状と課題」と題してご講演いただくとともに、質疑応答・意見交換を行いました。
西村教授は、ウェルネスは基本的には幅広い健康維持・増進という個人の問題であるものの、100歳以上の高齢者が10万人を超える勢いで超高齢化が進む日本の中で、健康寿命を延伸することは社会全体としても取り組むべき重要な課題であると述べられました。
また、こうした課題への意識が高まる中で、イベントや旅行商品としてウェルネスを増進するウェルネスツーリズムは、拡大する市場として、また、自社の健康経営・生産性向上の観点からも、企業からの注目が急激に高まっているとの紹介がありました。
西村先生ご自身が推進されている「ウェルネスウォーキング」については、歩くことがもたらす効果に加え、健康づくりへの意識づけや人と人とのつながりの創出がもたらす効果が大きいこと、また、ウォーキングイベントに継続的に参加してもらうため・参加者の裾野を拡げるために、歴史文化や酒蔵などの地元伝統産業の訪問などで変化を付けるといった工夫をされているといったお話がありました。
日本ウエルネスウォーキング協会のホームページ - 日本ウエルネスウォーキング協会
さらに西村教授からは、今後に向けて、インバウンド(訪日外国人旅行者)も、長寿国日本の食や温泉などに関心を持っており、こうした各地の様々なコンテンツを発掘しプロデュースしていく、技術の進展により健康がより個人のデータで計測・管理できるようになる中で計測機器(ウェアラブルデバイス等)をうまく活用していく、といった取り組みが重要であるとのご指摘がありました。
西村教授のご講演後の質疑では、参加者の皆様からも、体を動かすことの意義や日本の伝統的な生活の再評価の必要性、ウェルネスに大きな効果をもたらす地域コミュニティへの参加の場(カフェやクラフトビールのタップルーム等々)の意義、海外の事例を参考にした官民連携によるウォーキングイベントの開催の取り組みなどについて、活発な情報提供・交換が行われました。
講師の西村教授および参加者の皆様に深く感謝申し上げます。
(一社)次世代政策デザイン研究所では、今後もコロナ後の持続可能な観光立国の実現(観光立国4.0)をテーマとした勉強会を継続して参ります。地域住民の生活や環境とも調和しながら、地域や国を豊かにする観光をどうやって実現していくか、皆様も議論にご参加頂ければ幸いです。