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日本語学校に労働組合ができた(労働組合編②)

私の記事では主に警察官の時や都内某日本語学校で専任講師をやっていた時の思い出深い話を紹介しています。

労働組合ができて、男性専任講師5人は雪崩を打つように全員組合に加入しました。この学校の働かせ方じゃ当然といえば当然かな。

組合の立ち上げに動いたのは長く勤めている男性先輩専任講師でした。少しでもこの学校の労働環境を改善したい、すぐ辞めていく専任講師を減らしたい、との思いから立ち上げを決めたそうです。

学校に労働組合ができたといっても、どう運用していくのか、学校とどう交渉していくのか、など我々日本語教師には当然分かりませんから、立ち上げ段階から都内某ユニオンの協力がありました。

某ユニオンの力を借りて団体交渉の場で適正な労働環境の実現などを求めていくわけです。警察官時代、労働環境に文句など言えない世界で働いていた自分が労働組合に入るなんて少し不思議な感じでしたね。

さて、同僚だった男性専任達とともに自分も組合に入りました。

入社してわずか数ヶ月の間に会社の労働環境を見て今後働いていけるか不安になったからです。

あくまで個人的意見ですが、海外で常勤講師をやったとはいえ、日本語教師としての本丸は日本国内で専任をやることだとずっと考えていました。

教師としての経験や知識を積んでいきたいと思っていたので、国内の日本語学校では経験の無い自分を専任として雇ってくれて感謝もしていました

組合に入ることで理事長に嫌われるのは分かっていたし、理事長の取り巻きからも組合に入るなとはっきり言われ、直接の圧力もありました。

しかしこのままでは、経験、知識を積むどころではありません。休日出勤や残業ばかりなのに安い給料で生活費も正直ギリギリです。

ところで、団体交渉はやりようによっては社員の労働環境を改善するのに関連づけて、学生達の学習環境を改善するような要求もできました。例えば学生との面談で使うので自習室を作ってほしい、などです。

ちなみに、この学校には学生用のトイレに石鹸がありませんでした。2017年当時、留学生の数が激増していました。約1000人ほどの学生が使うのにどのトイレにも石鹸がないのです。教師も授業の合間は学生用のトイレを使うので正直石鹸くらいは置いてほしいわけです。こういったことは学生のためにも要求できる余地があります。

ちなみになぜ石鹸を置かないのか、女性の先輩専任に聞くと「学生に盗まれるから。」と答えました。トイレットペーパーもロール部分に自転車用のワイヤー錠でロックをかけていましたね。公園のトイレでもそんなことやってるの見たことありません。

ところで組合には非常勤の先生も参加が可能ですが、結局誰一人組合には入りませんでした。

非常勤の先生の立場ではやはり労働環境を改善していくメリットは薄いようです。

ところで女性社員も一人も組合には入りませんでした。

労働環境は良くなかったのですが、理事長が女性であったことなど女性社員は女性社員で何かしらの連帯感や絆があったのかもしれません。私にはよく分かりませんが。(続く)





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