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留置場ってどんなところ?(チャンス到来!)

私が警察官をやった7年のうち1年半は留置場での看守勤務でした。その時の思い出深い話です。ぜひお読みください。


動物園


さて、留置場ですが26,7人も被疑者の男(一部女もいる)が集まると動物園のようになり制御が難しくなることがあります。

は違うのですが、隣り合っていたり、対面だったりすると大きい声を出せば会話ができてしまいます。
(共犯の被疑者などは別の警察署の留置場に入れることもあります)

それを抑えるのが看守ということなのですが、この署はたった3人の看守でした。

チャンス到来!


看守といってもずっと留置人達を睨みつけているわけではありません。

留置人からの依頼を受けたり、物を管理したり、面会に立ち会ったり、書類を書いたり等で忙しく、常に3人で留置人を監視できるわけではありません。

そこに新規の留置人(つまり逮捕されたばかりの人)が入場してくると、身体検査やら所持品の確認で数時間ほど2人取られてしまい、大混乱になります。

もちろん大混乱しているのは我々看守だけですから、監視が緩んだと感じた留置人はここぞとばかりに騒ぎ立てます。

彼らからしたらストレス解消のチャンス到来というわけです。

留置場にいてストレスが無い留置人なんていませんからね。

普段話せない別房の人間に話しかけたり、ふざけて奇声大声をあげたり、気に入らない奴を挑発したり、やりたい放題となります。

私の感覚ではこの留置場は全く看守が足りていなかったです。

最低4人、留置人が多い時は看守5人体制で丁度良い位だと思っていました。

ブラック企業


さて、看守が3人体制で新規の留置人が入って来ると仮眠中でも途中で必ず起こされます。

100%です。

新規の留置人の手続きは身体検査や物品の預かりで必ず2人必要です。

その間、留置場を誰も見ていない訳にはいかないですよね。

巡回をする人員が必要になるので起こされるのです。

我々の仮眠時間ということは当然に夜中なので留置人も大半は寝ています。

しかし、留置人の自殺事故は夜中に起きる可能性が高いので24時間巡回が必要です。

2人で新規の留置人の入場の手続きをしている間、起こされたもう一人は巡回をします。

さて、この新規の留置人というのは要は現行犯逮捕されて、急きょ留置場に入って来ることになった者です。

これが来るのが大体深夜なんです。

が入って暴れたりするのがその時間が多いってことです。

ちなみに逮捕状を取って刑事課等が行う「通常逮捕」は昼間に行うことが多いです。

警察がある程度逮捕のタイミングを選べますから、夜中に行う必要は無いですよね。

通常逮捕は留置場に「何日の何時ころ逮捕予定の被疑者が何人」と連絡してもらえる場合もあります。

そうするとこっちも早めに配膳の準備等ができるので助かります。

もちろん連絡してもらえない場合も多々あります。

同じ警察官同士とはいえ、どこから捜査情報が漏れるか分かりませんからね。

ある意味当然でしょう。

通常逮捕と言っても予定通りの時間に逮捕できるとは限りません。

被疑者が不在だったり、暴れたり、逃げたりすることがあるからです。

聞いている時間より1,2時間くらい遅れることが多かったですね。

更に言うと通常逮捕でも、予定の被疑者だけが留置場に入って来るとは限りません。

被疑者の仲間を公務執行妨害の現行犯で逮捕、といった予定外のことが起こったりもします。

こうなると刑事も忙しいかもしれませんが、こっちも大混乱です。

看守に限らずですが、どこの部署も人が足りてなかったですね。

警察官の仕事は、ボーナスがもらえるブラック企業と思って間違いないでしょう(笑)

今回は以上となります。お読みくださりありがとうございました。



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