警察官の仕事ってどうなの?(偉いのはどっちだ!)
警察組織というのは出世できるかどうかによって受ける扱いが大きく変わります。
これは、「上司の職務上の命令には忠実に従わなければならない」という地方公務員法の規定が根拠です。
軍隊的な気質の警察組織では、これが軍隊的に研ぎ澄まされています。
ぜひ読んでいってください。
警察官の招集
警察官は非番だろうが週休だろうが、招集される可能性があります。
招集される主な例は、死亡ひき逃げ、強盗、殺人等の重大事件や行方不明者の捜索などです。
携帯に電話がかかってくるんですね。
電話は切れる前に必ず1回で出るのが基本です。
ウ◯コしてても、シャワーを浴びてても、居酒屋で酒を飲んでても、深夜に寝てても電話には必ず出ます。
だから週休といっても本当の意味では休みではないのです。
招集の可能性が常にあるわけですから。
じゃあ、休みに遠くへ出かけるときはどうするの?と思いませんか?
一例を挙げると、私が以前所属していた署では隣り合った3市は届け出無しで自由に行けました。
しかし、それ以上遠いところへ行く場合は私事旅行簿というものに決裁をもらわなければなりません。
こっそり行くこともできますが、万が一、行った先で交通事故などに遭った場合、「何で届出していないんだ!?」ということになります。
だったら面倒くさいですが正直に決裁を取ればいいだけです。
偉いのはどっちだ!?
話がそれました。
週休では呼ばれる可能性が常にありますが、唯一の例外があります。
それは有給休暇を取った場合です。
この場合だけは招集の電話は来ません。
しかし、私は7年の警察人生で一度だけ有給休暇で旅行中の人間が招集されたのを見たことがあります。
しかもくだらない理由で。
その時の署の署長は階級が警視正でした。
むちゃくちゃ偉いです。
地方公務員で警察官になり、この階級まで行けるとしたら、努力や実力だけではなく運や人にも愛されないと無理でしょう。
しかし、地方公務員出身で警視正より更に1つ上の警視長になる人も実は存在します。
詳しくは伏せますがこの署の1,2階は警察署、その上の3階から5階までは県警本部の一部署でした。
その部署のトップが地方公務員から警視長になった人です。
キャリア組でない警察官がどうやって警視長まで昇るのか?
先輩や上司からの噂レベルでさえ聞いたこともない雲の上の話です。
私の県にはこの地方公務員から警視長になった人がつくポストが4つほどありました。
さて、当時、私は地域課で交番勤務員として勤めていたのですが、同じ係の50代のY巡査部長が有給休暇を取得して2当直の夏休みを取りました。
ちなみに、2当直休むと表面上は8連休になります。
その巡査部長は、車で4時間ほどの街にある実家に帰っていました。
その時、署の管内で強盗事件が起きます。
強盗事件は重大事件なので非番員、週休員が招集されることはもちろんあります。
しかし、署長によっては地域課員は招集されないこともありました。
刑事課員だけで対応したい、等の理由です。
交番で働いている地域課員をあまり信用してないわけですが、こちらとしては休めるので大助かりです。
しかし、この時はなぜか署長が代わったわけでもないのに地域課員が招集されました。
しかも発生当日は招集しなかったのに、発生3日目に招集です。
署に行くと有給休暇で実家に行っているはずのY巡査部長もいます。
このY部長から話を聞いて今回の招集についての謎が解けました。
実は今回も署長は刑事課員だけで強盗に対応しようとしたそうです。
しかし、今回の強盗、ちょうど半年ほど前にも似た手口の強盗があり、犯人はまだ捕まっていませんでした。
これが原因で、何故か本部所属の警視長が不満を口にしたようなのです。
つまり、大々的に招集して捜査すべきだ、ということです。
うちの署長は刑事課出身なので、刑事課だけでやる方針を貫こうとしたようですが、この警視長が「偉いのはどっちだ!?」と切れて部下たちに執務室で怒鳴ったそうなのです。
それがどうやら署長の耳にも届いたようで、鶴の一声的に警視長の意見が通ったようなのです。
そんなくだらない理由で有給休暇中に招集されたY巡査部長。
「30年以上警察官やってきたけど有給休暇中に呼ばれたのは初めてだ。呼ばれるとは思わなかった。」と言って驚いていました。
世の中、ブラック企業は多数あれど有給休暇中に招集って、まぁまぁブラックだと思いませんか?
今回は以上となります。
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