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警察学校ってきついの?④(そうか、ご飯は飲めば良いんだ!)

引き続き、警察学校の生活について話していきます。

今回の本題に入る前に書き忘れたことを一つ書いておきます。

警察学校の髪形についてです。警察学校に入校してからは全員坊主にされます。

入校案内には短めの髪にすれ、と書いてあるだけなんですが、入校すると事あるごとに髪が長い、と難癖をつけられて結局全員坊主にされました。警察学校側の建前としては制帽をかぶるので、髪が長いと衛生的に良くないというものです。しかし皆かなり髪を短くして入校しているので坊主とそんなに長さは変わりません。はっきり言って言いがかりみたいなものです。

無理に坊主にさせて相手の心をへし折って反抗を抑圧するという計算もあると思います。寮の部屋では夜な夜な部屋員同士がヒゲを剃るような感覚でバリカンで髪を剃ってたのも良い思い出です。

本題に入ります。今回は食事についてです。

警察学校では集団行動が求められます。最小単位が「部屋」です。都道府県によって違うと思いますが私の部屋は8人でした。そして「」です。これはクラスと思ってくれて間違いないです。約40人です。

部屋の代表が室長。班の代表が副総代。私の同期は全部で170人程の4班編成でした。「」の代表が総代です。室長等は年齢が高いものから順に入校前に決められています。

それでは、なぜ食事がきついのか、を説明しましょう。

食事は班単位で食べます。ところが班の中には食べるのが速いのもいれば遅いのもいます。昼休みなんだから速いやつだけ速く食べて寮に戻って休憩すればいいんじゃない?と思いますよね。

でも警察学校ではそんな個人行動は許されないのでみんなで必ず一緒に動きます。必ずみんなで一緒に「いただきます」「ごちそうさま」です。数名は何らかの当番が当たっているので、昼休みとはいえ決められた時間までに所定の場所へ行かなければなりません。

ほとんどの班員は自分より食べるのが速かったですね。彼らは数分で食べ終わります。自分は半分くらいしか食べてませんが、視線が集中してくるので「食事は終わりました」と言わざるを得ません。だから夕方に腹が減って仕方なかった。

これじゃまずい、速く食べられるようになろうと思って皆の食べ方を見ていると速いやつは味噌汁でご飯を飲むように食べているのがわかりました。これを真似して1か月後には何とか自分も10分で8割は食べられるようになりました。

ところで夜の入浴ですが、班ごとに30分の時間が割り当てられています。その時間に行って大体20分程度で出てきます。体を洗うだけならいいんですが、湯船に入りたい者は一度に湯船に入れる人数が決まっているので湯船の周りに並びます。

すると20人、30人と裸の男が湯船の周りに並びます。この時の並び方や動き方にも決まりがあって一定の規則性を持ってどんどん湯船のほうに近づいていくわけです。自分は面倒くさいのでほとんど湯船には入りませんでしたが、裸の男が並んで動いていくあの光景を今思い出すと少し異様ですね。

さて、入校当初地獄に思えた警察学校にも4か月くらいで慣れてきます。人間は不思議なものですね。それが当たり前だとその環境に順応するんです。そして、教官やルールが厳しければ厳しいほど班員や部屋員とのが強まりどんどん仲良くなっていきます。これが最終的にものすごい力になり勇気を与えてくれます。

自分の場合ですが4か月を過ぎた頃から日曜の夜、警察学校に戻るのが恐くなくなりました。警察署に配置される日が今度は待ち遠しくも不安になってきます。

そんな油断している奴を警察学校は決して見逃してくれませんでした。
(警察学校ってきついの⑤に続く)


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