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340.29m/s LAST ONEMAN LIVE『-no title-』のこと

【ソニパクロニクル】

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ソニパの活動が最後のライブを残すのみとなり、ラストライブ「-no title-」で -no title- を歌うのか問題についてオタクとあれやこれや議論してたんやけど、ライブ本編の最後に歌った -no title- が一番すごかった。 -no title- にたどり着くまでの流れ、歌唱と表情で魅せるパフォーマンス、会場の空気感。本当に素晴らしくて圧倒的で、歌ってくれて良かったと心の底から思った。

一つ前の SHINING を聴きながら「これで終わるのかなぁ」と思った。ラストライブ「-not title-」であえて -no title- を歌わない。それもすごくきれいだったと思う。でも、SHINING の後に長らくライブハウスで聞いてない -no title- のイントロが流れた。一瞬何が起こったのかわからなかった。新体制初めての -no title- がライブ本編の主役だった。本当にすごかった。ただただ息を飲みながら、魂のこもった歌を聞いた。推しの表情を見つめながら。

-no title- が終わり、メンバーはステージ袖に消えた。ライブハウスに静寂が残った。アンコールは「待つ」だった。独特の余韻が漂う中、みんな何を考えたんだろう。僕はこの静寂の中に3年9ヶ月でソニパが作ったライブの意味を探した。じわじわと自然発生的にクラップが起こり、アンコールは「待つ」から「呼ぶ」に変わった。

こんなアンコール初めてだった。クラップが大きくなるとSEが鳴った。メンバーが出てきてジェンガのイントロがはじまり、煽りと共にステージもフロアも一気に「いつもの」ソニパになった。ここのシーンの切り替わりがラストライブ一番の醍醐味だった。

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ということで、2023年1月21日、340.29m/s LAST ONEMAN LIVE『-no title-』をもって340.29m/s(読み:そにっくめーとるぱーせこんど、以下ソニパ)の活動が終わりました。2019年5月3日にデビューして以来、大阪を拠点にしながら東京・名古屋・四国を中心にたくさん遠征もして、コロナに負けることなく、526本のライブを走り抜けました。本当に本当にお疲れ様でした。梅田CLUB QUATTROでのラストライブはこれまでのソニパの活動を締めくくる集大成でしたが、本当にすごかったので、ここに僕視点の感想などを書き記しておきたいと思います。

ラストライブのセットリストは以下の通り

340.29m/s 公式アカウント @34029ms0503s より拝借

https://twitter.com/34029ms0503s/status/1616806349589090305?s=20&t=Pi4yxsSqaBXcplKIG49_8Q


27の持ち曲をMC無しでぶっ通しで歌い通す本編+ソニパの定番曲3曲のアンコール+EARLY DAYSのダブルアンコール、という構成。最後に少しだけMCがありましたが、とにかく歌とダンス、ライブで伝えるというソニパのスタイルを最後まで貫き通していました。

本編はとにかくすごかった。自分たちが愛したソニパの楽曲を、1曲1曲、熱く丁寧に魂を込めて歌いあげていきました。いつものライブとは明らかに違う空気感。肌を刺すような雰囲気の中、1曲終わるごとに「あっ、これでこの曲とお別れか…」という気持ちになりました。とにかく「ライブ」に全集中したラストライブの1曲1曲はソニパの集大成であり、弔いでもありました。自分たちが愛した曲にとどめを刺していく、鬼気迫る、そして美しいステージに何度も何度もゾクゾクしました。

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会場がオープンし、続々とソニパの最後を看取りにきたオタクたちがフロアに入ってきました。あっという間に梅田CLUB QUATTROのフロアはいっぱいに。最後のライブを前にかつてない緊張感の中、開演時刻を待ちましたが、時間になってもライブははじまらず。「何かトラブルがあったのでは・・・」と不安になりながらも、オタクたちのざわざわを耳に入れながら、ライブがはじまるのを待ちました。

BGMが止み、流れたのは1st SE。久しぶりの1st SEは緊張感と不安感を一気に高揚感に変えてくれました。SEが終わってステージに出てきたのは糸生りとと望まひろの2人。そしてはじまったのはCraving。思わず歓声が上がりました。2人ではじまったソニパを振り返るようなラストライブのスタート。最初の2人体制のときに毎回歌っていたCravingを歌い終え、ステージ袖に消えていく2人。すぐに聞き慣れたSEが鳴り、いつもの4人のソニパに戻ります。

ここからは怒涛のライブ。あらゆる場面でソニパを支えてきたモスキートーンではじまって、EyeS、ジェンガと強くて手堅いソニパがフロアを一気に熱狂の渦に変えます。からのさよならマイヒーロー、「プロローグ」、オレンジホログラム、PLAYBACKは美しくも切ない流れ。活動を通して作り上げた「魅せる」ソニパのターン。特にPLAYBACKの叙情的なメロディがソニパのラストライブの前半戦を強く引き立ててたように思います。

一度、ステージ袖に下がったメンバーたち。4th SEが鳴り、ラストライブ怒涛の中盤戦がはじまります。ここは14曲ぶっ続け。SHOUT IT OUT、我♡I NEED、SONIQ、shooting star、スタートライン、disco:take、超☆必殺!340.29ぱんちという、現体制ではあまり場数を踏んでない曲が並びつつも、何一つ違和感なく、しっかりソニパのライブとして流れていきます。ここの完成度は本当に感服。特に楽しい気持ちでいっぱいになるshooting starからのスタートラインのイントロは思わずこみ上げるものがありました。水乃あゆかと天音スイの二人にとってはラストライブに来てはじめて歌うスタートライン。ステージからの景色はどうだったでしょうか。

20 sec SE を挟んで中盤戦の後半へ。DROP LET、ENERGY、Implicit Mad Party、GENOCIDER、僕らが紡ぐこれからのうた、EARLY DAYS、BIRD CAGE。ソニパのいつものライブでありそうな流れで会場のギアをドンドン上げていきます。20 sec SEからのDROP LETはとにかく美しかった。そして、GENOCIDERからの僕これ。こういう振り幅はソニパの真骨頂だと思います。僕これからのEARLY DAYSという、心を揺さぶられて、みんなでシンガロングして、多幸感の海になる流れは本当に幸せでした。で、すべてを壊すBIRD CAGE。「これこれこれ!!!」って感じの会場のうねりが最高でした。

ここまで22曲。嫌でも終わりが見えてきます。「まだ生き残っている曲はなんだ…?!」と考える間もなく、I'll SuperNova SE。個人的に一番上がるSEで、BIRD CAGEからのこの流れは最初で最後。そしてラストライブで初めて次の来る曲が確信できた場面です。I'll SuperNovaでテンション最高潮な中、落ちサビ前に声を出しながら「あっ、、ホントに終わるんだこれ・・・」となって、いよいよ最後の時を覚悟しました。からのスライドブルー。熱狂から一気に澄み渡る会場の空気。みんなにはどんな情景が見えたでしょうか。スライドブルーの余韻に浸る間もなくNEVER END。いよいよ、最後の時が迫ってきています。ソニパが作ってきたライブのすべてを感じながら、それでも「全然まだまだ足んないよ」と思いながら、終わりに向けて走っていきます。

そして残されたのは2曲。NEVER ENDのアウトロの多幸感を感じながら、流れてきたのはSHINING。ゆったりと4人の声を堪能しながら「これで終わるんだ」と思いました。最後の時間を噛みしめながら、ステージの4人を見て感謝の気持ちでいっぱいになりながら、これからのそれぞれの道が明るいことを祈りながら、最後のSHININGを身体いっぱいに感じて、「あぁ」と思ったら、まだ終わらない。本当の最後の曲・・・

望まひろのタイトルコールから、-no title- のイントロが鳴ったとき、何が起こったのかわかりませんでした。新体制で初めて歌う -no title- がソニパの最後。一瞬戸惑いもありましたが、曲がはじまるとそんなことはすぐに払拭され、ただただ4人の歌唱に魅入りました。とにかく圧巻で圧倒的。歌がすべてを物語る。ラストライブの主役は間違いなく -no title- でした。最後にこの曲を歌うために3年9ヵ月走ってきたんだ。心の底からそう思える -no title- 。「アイドルは終わりを愛でる芸能」、かつて某アイドルの楽曲のライナーノーツに作詞者がそう書いているのを見て、妙に感心したことがあったのですが、まさに全身全霊で歌う最後のソニパを見て、「今、この場所でこの曲を聞きながらソニパを愛でるためにここまで走ってきたんだ」となりました。3年9ヵ月のいろんな積み重ねの上に、すべてが詰まった -no title- 。終わりとして最も相応しい形だったと思います。

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-no title- が終わり、メンバーがステージ袖に消え、ライブハウスには静寂が残りました。いったいこの空間は何なのか。最初は誰も理解できなかったと思います。普通ならライブが終わり、アンコールが起こる。そんな場面にも関わらず、-no title- が残したものは静寂でした。独特の余韻を感じながらみんなは何を考えたでしょうか。僕はこの静寂の中に3年9ヶ月でソニパが作ったライブの意味を探しました。楽しいこともいっぱいあり、苦しいこともいっぱいあり、とにかくライブを紡いできて歌い続けて走り切って、今この瞬間を迎えた意味。そんなことを考えながらのアンコールは「待つ」でした。コールもクラップもなく、とにかく「待つ」。誰もその場を動かず、何かを噛みしめながら、ソニパがまた出てくるのをただ待っている。そんな時間がただただ愛おしかった。そして、自然発生的にクラップが起こり、アンコールは「待つ」から「呼ぶ」になりました。じわじわとクラップが大きくなり、会場でそれぞれが今この瞬間の意味を考えていたのが、徐々に一体感に変わっていきます。そして、クラップが大きくなったところで6th SE。このSEの壮大なファンタジー感はこの日のアンコールにピッタリでした。

6th SEが鳴り終わり、メンバーが出てきて、ジェンガのイントロが流れて、煽りが入る。その瞬間、ソニパ終幕の儀式を終えた会場は、一気に「いつもの」ソニパになりました。さっきまでの静寂とは打って変わって、会場は一瞬で熱狂の渦へ。そして、ジェンガを歌う4人は衣装ではなく、ラストライブの -no title- Tシャツに着替えていました。衣装を脱いだメンバーを見たとき、「あぁ、もうソニパは終わったんだ」と一気に実感しました。本編でソニパは終わり。弔いの儀を終え、自分たちがステージに立つための衣装を脱ぎ、別れの哀しみを感じる暇もなく、本当の最後へ。Tシャツ姿の「いつもの」ソニパが作る熱い空間が現れて、笑顔でただただライブを楽しむ時間がやってきました。このシーンの切り替えとストーリー性が、ソニパラストライブの真骨頂だったと思います。

アンコールはジェンガ、NEVER END、BIRD CAGE。これまでソニパの熱狂を作ってきた、「答えはライブにある」の基礎を作ってきた、そう言っても過言ではない3曲。この3曲の時間がただただ楽しくて、今日が最後だってことを忘れてしまうぐらい気持ちが入って、ニコニコでライブを楽しみました。そして、ステージ袖に再び消えていくメンバー。本編の終わりとは明らかに違う空気感。次のアンコールは「待つ」でも「呼ぶ」でもなく「引っ張り出す」でした。とにかく全身全霊フルパワーで、「まだソニパ見たいよ!」って気持ちで「アンコール!」を叫びました。鳴り響くアンコール。その中で、おそらく会場にいたほとんどの人の気持ちは「絶対にEARLY DAYS!!」だったと思います。フルパワーで声を出しながら漂う「EARLY DAYS!!」という空気感。本当に素晴らしくて、会場が完全に一致団結していたような気がします。そして、EARLY DAYSのイントロの「ブーーーーーーン」が聞こえると会場は一気に多幸感に包まれました。

ここからはあっという間。本当に本当の最後のソニパを全身で感じながら、ステージもフロアもいっぱい笑って、いっぱい歌って、最高に幸せな時間でした。EARLY DAYSを歌い終わり、幸せいっぱいのライブハウスに4人はマイクを置きました。かくして、ソニパの最後は大団円となりました。

おしまい

・・・いつまでも音速で活きる・・・


2019年5月3日~2023年1月21日
ぽれもん



(続く?)

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