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《無題》埜口さくら

佐賀大学の日本画は面白い。近藤恵介さんに依る所が大きいと思う。昨年は武蔵美市谷キャンパスのαMや、LOKO GALLERYなど東京でも展示していた。埜口さくらさんは大学院・日本画とあった。

《無題》, ©︎埜口さくら

佐賀大学の美術館、1階から2階への吹き抜け空間に展示されている埜口さんの無題、遠くから作品を認めたときには、モノクロ写真だと思った。

《無題》(部分), ©︎埜口さくら

一行に八つの正方形が並ぶ。墨でグリッドを描いている。いや結果としてグリッドが浮かび上がるということで、どちらが主なのか曖昧にさせているように見える。
墨の明暗があるものの地の白との差は明らかで、それぞれの正方形と格子状の画面とを行き来する。この対比のみならず、全体として見たときに浮かび上がるイメージ、モザイク画をも連想する。

《無題》(部分), ©︎埜口さくら

吹き抜けの天井にまで届く作品は更に長さがあり、床には現れていないグリッドが折りたたまれていた。

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