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《美少女戦士私》岩崎佑香
佐賀大学は有田にもキャンパスがあり、毎年の卒業制作ではセラミックの作品が多く展示されている。他の大学でも工芸系でセラミックの展示があるが、有田焼の窯元にキャンパスを構えているからだろうか、レベルの高さに毎年楽しみにしている。
岩崎佑香さんは有田セラミックだけれども、巨大なサイの編み物を提示していた。テキスタイルではないかと勘違いして、キャプションを二度見してしまった。
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大きな胴体のボーダー、足の付け根には花のようなモチーフがあり、足のボーダーの向きの変化を自然に接続している。顔の部分は毛糸の地よりもバッジのように貼られているモノが目立ち、特徴的な角は、一面にびっしりと貼り付けられている。
足元にもあるモノは、陶土によるボタンだった。ボタンを貼り付けるための支持体がサイの編み物なのである。
![](https://assets.st-note.com/img/1707626669510-4fFboKDDw6.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1707626434329-zWpKOA3PZo.jpg?width=1200)
ほぼサイの実寸ではないかと思われるが、毛糸の編み物だけで構成されているわけではないだろう。その辺りを読み解くヒントが側に置かれていた卒業論文から読み取ることができた。
手前の白いサイはマケットとして制作したという。
![](https://assets.st-note.com/img/1707626778420-Jqaa9zGZGz.jpg?width=1200)
マケットはとても自立できそうになく頼りない。それを改善するためにblenderでモデルを作り、佐賀大deラボの協力によって骨組みを制作した。ボタンも実験を重ね、窯元へインタビューにも出かける様子が綴られていた。
数と大きさというのは、作品に力を注入する方法のひとつ。その両方を表現しているのではないか。
就職活動にあたって、人と比べることが必要になり、自分を見つめた。なんでもデコレーションしたくなるということ、タトゥーを入れたかったが親に反対されたこと、サイが好きなこと、一人である方が居心地が良く、編み物に集中する時間が癒しになっているよう。自分にはタトゥーを入れられないから、大好きなサイを作ってタトゥーに見立てたボタンをつけよう。それが、この作品制作の動機だった。
自己をサイに投影、これは自画像なのかもしれない。
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