《音をなぞる》資延美葵
資延さんの《音をなぞる》は壁面の作品とジオラマのような台上に展示された作品とブックから構成されていた。
音を可視化しているという。資延さんは、ピアノを習っていた。その関係からか高音と低音とで空間的な認識をするという。そういう感覚から音の形をとらえ、音の長さをイメージして平台の作品を制作したという。
布の形、これは音を自立させる仕掛けとして用意していて、中にあるラインが音の形を表しているという。そして、平台には資延さんの地元である世田谷の地元の地図が印刷されている。つまり、音の連なりは街の音、そこで聞こえる音だという。
恐らく、目の見えない人の街の感じ方だろうと想像していたら、資延さんの祖父が視力が無いということを教えてくれた。
ユクスキュルの言う環世界を連想した。共感はできたり、想像できたとしても、実際のところは分からない。
私がみている青とあなたがみている青は同じ青なのか。疑問に思ってはキリがないが、そうしたことに注視する。そうした展示であった。
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