東京藝術大学油画卒業制作学内審査展 石塚麻歩の展示
学内審査展はアトリエを使った作品の見せ方があり、卒展とは違った魅力があると思う。石塚麻歩さんの展示はインスタレーションとしての展開があった。
屏風をスクリーンとしてアニメーションが展開される。自画像、詩が提示される。照明など、作家の思う空間を作っている。
屏風をスクリーンとする。映像は時間を表現し、何かを語るには最適なメディアだと思うが、その役割は屏風にあったと思う。
四曲一隻。そこに投影される画像は、どうしても時間を意識する。そこに日本文化のコードが埋め込まれているように思う。
卒業制作で記憶をテーマとする作家を多く見かけるが、石塚さんの見せ方はユニークであり、時間と記憶の順逆を示唆しているかのようである。
アーティストステートメントを置くのではなく、詩そのものを置いたことも洗練された空間になっている。
プレ・モダニズムに見える自画像もインスタレーションを強化していた。
いただきましたサポートは美術館訪問や、研究のための書籍購入にあてます。