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負性の時間が美的変容をもたらす事態 〜えも言われぬ気持ちに言葉を探して〜

物質的なものの上で演ぜられるこの時間のすばらしい震えを、ピコンとは別様に、われわれはどのように語りうるだろうか。美意識がいわば時間性の特殊な関数となっている事態、つまり物質的なもののレヴェルでは否定的でしかない作用を及ぼす時間、負性の時間がかえって作品に特殊な美的変容をもたらす事態について、より一般的に多角的に接近してゆくことが、いまわれわれの課題である。

出典:谷川渥「形象と時間」

美学者の谷川渥「形象と時間」を読み始めている。時間をテーマに自由に書かれているのが伝わってくる美的時間論だ。実は大学生の時に美学の授業で読んだ本だ。当時から興味津々だったが、チンプンカンプンだったかも……。年齢を重ねることで時間のことを身を以て体感したせいか、からだでわかるようになった気がする。久しぶりに触れる言葉にあらためてワクワクしている。


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