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鏡の中の世界

思いがけないプレゼント

老朽化した愛車ではあるけれど、昨今の世相を反映してドライブレコーダーは装着している。

恐い世の中だから。

ただし、フロントだけ。

隣国製の安価な製品だけれど、きちんと録画はしてくれている。

フロントガラスに吸盤で装着しているタイプだから、酷暑の日などに剥がれてラインでぶら下がっていることもあるけれど、ほんのご愛敬とばかりに割り切っている。

リアにないのは少々心もとないけれど、そこそこ満足していたのだ。

しかし、思いがけず我が子がデジタルミラーにドライブレコーダーが内蔵されたタイプをプレゼントしてくれた。

以前、一緒に観ていたテレビ番組の中で、趣味人として有名なタレントが同タイプの製品を絶賛していて、私が「これいいなぁ」と呟いたのを覚えていてくれたのだ。

早速、換装を試みた。若い頃は、カーオーディオやらなんやらを自力で装着したものだけれど(単に工賃が勿体なかっただけだけ)、ここのところ前出のドライブレコーダーのように吸盤とか両面テープですこぶる簡単に装着可能なものしか扱っていなかった。

でも、やり始めれば昔を思い出し、次第に楽しくなって来るものだ。

付属の取説は、隣国製のものとしては極めて正確な日本語で書かれており、文字が小さ過ぎるという難点はあるものの記載事項は概ね了解出来た。

少々割愛傾向が強い取説だけれど。

一部、配線しなくてもいいんじゃね?みたいな部分があったのでそれは省略。外付けを想定した防水タイプのリアカメラは、配線処理を簡単にするためと、洗車機に入れる度に水は大丈夫か?外れないか?とハラハラドキドキするのが明白だったので、無難に室内に設置することとした。

そして正味2時間程度の作業時間で無事換装完了。

新しい機材に触れるのはいつだって嬉しいものだ。

検品的に装着前に通電してみていたので、既に画面は目にしていた。

パッケージにしつこいぐらいに「試してみてください。不都合があったらお知らせください。説明します、補償します。」と書いてあったので不安になったというのもあるけれど。

心配していたこと

エンジンキーを回し、通電して画面を確認する。

すごい!鮮明だ!

今まで装着していたものは、安価なだけあって画質は粗く夜目があまり効かなかったが、これは全然違う。

国産の高級機種の画面を見たことはないけれど、おそらく遜色ないのではないだろうか。

機能も豊富だ。GPSまで搭載している。ドライブレコーダーとして不便なことはないように思える。

ただ、事前にネットで調べた際に若干心配なことが書かれているサイトがあった。

通常のルームミラーは当然「鏡(ミラー)」であって、反射したものではあるけれど対象物の実体を見ている。

対してデジタルミラーの場合は、カメラで撮影した映像をルームミラーの位置にあるモニターで見ているので、運転中に見ている前方の風景(当然実体)との間に距離的な相違があり、焦点の合わせ具合が違うので慣れるまでは気持ちが悪いという。

老眼の進んでいる我が視力は、運転に支障こそないもののナビ画面はぼやけてしまう。

同様に、デジタルミラーだと後方視界がぼやけるのではないか?と不安になってしまったわけだ。

しかしながら、実際に運転して使用してみたら不安は杞憂に過ぎなかった。

普通に見えるじゃん♪

ただし、別の違和感はあった。鮮明過ぎるのだ。明る過ぎる。

そして、電源オフ時は鏡として機能するようモニターは鏡面加工してあるので、時としてデジタル画面と鏡に映った風景が脳内で合成されてしまう。

つまり、大きく二重に見えてしまうのだ。

デメリットよりメリット

鮮明で明る過ぎるのは、モニターの設定に「輝度」があったので、それを下げることで概ね解消できた。

下げ過ぎると鏡面に映りこむ風景の方が勝ってしまうので、中ぐらいにしておくことで丁度良くなった。

要は、輝度の調整だけで前述の違和感は同時に解消出来たわけだ。

加えて、モニターモード(常時デジタルミラー)とミラーモード(操作しなければ電源オフで鏡面状態)が選択できたので、ミラーモードにした。

普段はやたら鮮明だったり明るかったりしなくても支障はない。

いや、寧ろ必要以上に鏡の世界に惹きつけられず、自然で心地良い。

慣れと工夫で不安は解消出来るものだ。

ちなみに、タイトル画像でもお分りいただけると思うけれど、ミラー本体に接続している3つのケーブル(電源、リアカメラ、GPSの配線)には、実は元のミラーの足の部分が干渉している。

そのままではジャックが足に当たってミラーの調整幅が狭められてしまう。鏡面が下を向いてしまってドライバーの視線から外れてしまうのだ。

これはデジタルミラーの背面に下駄を履かせることで解決できた。後付けミラーを出来るだけ浮かせることで、元のミラーの足との間に余裕が生まれ、普通に調整可能となった。

汎用後付け品というものは、当たり前なのかも知れないが、フィットするとは限らないものだ。

かくして我が愛すべき旧車に、最新のテクノロジーが追加された。

単純に嬉しい。

お勧めします。