見出し画像

思い出の品々 その8

実家の押入れを整理していると、何とも懐かしい衣類も大量に出現する。

このジーンズもそのひとつ。残念ながら所謂ビンテージものではないので、高額買取の対象ではない。

最早、単なるシミだらけの古ジーンズだ。

実家でしまい込まれた洋服類のうち、両親の物であればこの十年か二十年のうちに日の目を見たものもあるけれど、私たち兄弟の物となれば40年以上しまい込まれていると見て間違いない。

兄弟ともに、実家から独立して40年前後経つ上に、実家を出る際に持ち出していないのだから、その時点で既にしまい込まれていたに違いないからだ。

つまりは、子どもの頃に着ていたものとか新しいところでも学生時代に着ていたものということになる。

だから、ジーンズだって当然こんな感じ。勿論、当時だってストレートやスリムはあったけれど、私の場合は70年代フォークをこよなく愛する中学・高校時代だったので、数多くの当時のフォークシンガーたちが身に着けていた「ベルボトム」が多いのだ。

「ベルボトム」でないにしても、裾が広めのものを好んでいた。「フレアー」なんて名前のものもあったっけ。

全体がズドーンと太い「バギーパンツ」とか「オーバーオール」もあったけれど、敬愛するフォークシンガーが概ねベルボトムだったので、自ずから膝から下が広がっているものを履いていたのだ。

その後、TVの青春ドラマの主人公がベルボトムを履いていて、足元は下駄だったりすると早速下駄も履いた。

今回の実家整理で、その下駄は父の下駄と一緒に処分したけれど。

そう言えば、昨今、下駄履きの人って見ないなぁ… カランコロンって、好きな音だけれど。

「ホワイトジーンズ」も時として好んだ。流行ってもいたのだけれど、敬愛するシンガーの持ち歌の歌詞に出てきたことも大いに影響している。

ファッションについてはどちらかと言えば疎い方なので詳しくは分からないけれど、最近は皆自由な発想で服を選んでいるようだから、裾広がりのジーンズを街で見かけることも珍しくはない。

流行は繰り返すのだ。

結果、篩にかけられ定着するのかな。