体を売り続ける女の話し6

応接室に通されました。
そこには数人の男の人が。
その中の一人が、『川崎警察の生活安全科の○○です。
ちょっと、お話聞かせてもらいますね』
私の心臓は、飛び出しそうにドクドク音を鳴らしていました。

その刑事さんが
『まずお名前伺えますか?』と言ってきた。
私は姉の名前を答えた。
『それって、お姉さんの名前ですよね?』
また、心臓が音が大きくなった。
どうしよう・・・・
私は、『はい。』と答えた。
少し、刑事さんと話をしてから、車で川崎警察に連行されました。

初めての取調室。何から聞かれたかは覚えて無いが、どうして関東に来たか?誰と来たか?きっかけは?など色々と聞かれたのうな気がする。
でも、自分の回りにいる人達は、みんなヤクザ。喋って良いことと、悪いことが沢山ありすぎて、知り合いの知り合いで・・・
などと言ってごまかしながら。
自分のことは、正直に話せるが、話せないことが多すぎて、取り調べが前に進まない。
刑事さんもこれでは、調書が書けないと思ったのか、次の日にまた来る約束を取り交わして、夜には一度返してくれることになったのだが、身元引き受け人が必要で。
その時は、まだ石沢さんが急性肝炎で入院中で、親分のマンションに居候してて。
前回、横浜のマンションにみんなで部屋住みだったが、この頃は、親分と彼女は大森のマンションに二人で住んでいて、そこに居候させてもらっていました。
ただ、居候はさせてもらっているので住所は分かるのだか、電話番号が分からない。その頃は、まだ携帯電話など無く、ポケットベルがかろうじてあるくらい。
刑事さんに知り合いの方のマンションに居候しているが、電話番号が分からないと伝えると、マンションまで送って行くと言われました。あぁぁ、頭が痛い。どう見てもヤクザと見た目で分かる親分の居るマンションに刑事さんを連れて行くなんて。
マンションに着き、部屋のベルを鳴らし、親分に鍵を開けてもらい、刑事さんは部屋の外で説明をするために待っていたので、部屋に入り親分に事情を説明し、玄関まで出て行ってもらった。
刑事さん達は玄関に入り、親分に説明をして帰って行ったが、玄関には100足近い靴の数。どう見ても素人の住む部屋では無く、明らかに違和感を感じたと思います。
まぁ、今の私なら、あの頃、すでに刑事さんは、私とヤクザの繋がり全てを把握してから、行動に移してたことも分かるんですけどね。
刑事さんが帰ってからがまた大変。
明日、出頭してどう話すか、親分と彼女と私で作戦会議が始まりました。
すでに今日、石沢さんの名前は出していたので、石沢さんと一緒に関東に出てきたというシナリオで話すことになりました。

次の日、川崎警察に出頭して、取り調べが始まるのですが、すでに石沢さんの写真が用意されてました。いつの写真かは分からないが
逮捕歴があったのか?写真を見せられ、『君の言ってる石沢はこの男か?』と聞かれ、
えっーと、少し違うような・・・
と、バレバレの答えを言ったことを覚えてて、今でもそれを思い出すと、笑えます。

今回は、補導で逮捕でないからなのか?
それとも、私がヤクザに無理やり働かされてるわけでは無いと分かったからなのか、本気で全てを明らかに!という程では無く、何となくつじつまが合えば良いような感じで、二日間の取り調べと大阪に帰る約束を交わし、帰してくれました。
大阪の家にも連絡が行っていたようだか、
私が親には、ホステスをしていると話していると言ったので、それに合わしてくれたようです。

次回は、大阪に戻ってからのお話です。

最後までご覧いただき
ありがとうございました。

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