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日本人女1人でVrindavanのHoliに参加した話(3/6)

細く入り組んだ路地を寺院に向かって行きながら歩く。ふと人混みについていくと、何かわからないけど、明らかに宗教的な建物があって女性達が色粉で十字を描いていた。

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こういうのは他の町でも何度か見たけれど、結局意味は聞けなかった。宗教的な想いが重なったこういう壁は、言葉に表現しきれない力強さがある。

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さらに細い路地を抜けていくと、あちこちに子供がいる。

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子供達としては気持ちが先走って仕方ないという様子だ。すれ違いざまに顔に粉を塗りつけてくる。力も強いし目に入ると痛い。

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子供達の中には水鉄砲を持っている子もいるんだけど、この水鉄砲がまた凶悪で、結構大きいので水もたくさん入る。背後から打たれると水がなくなるまで結構長い時間打たれ続けるし、水圧も強くて本当に痛い。

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子供達がやりあってる所に飛び込んでしまうと、二階からバケツで色水をかけられた。衝撃としては二階からバケツで水をかけられただけの事だ。こんな目に合うとは予想できていなかった。

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路地を歩いているつもりでも急に開けたところに出たりする。表通りは大人が多い。若い男性達がそこかしこでたむろしていて、外国人の女と見てニヤニヤしてくる。何を考えてるんだ。だんだん怖くなってきた。宿の店主に言われた言葉を思い出す。

「いいか、町に出てる奴らはドラッグをやってる。牛の糞や、石だってぶつけられるかもしれない、まああなたは女だから石を投げられる事はないと思うが。あいつらはハイになってるから、一人で行ったらレイプされたり、殺されたりするかもしれないぞ。」

若い男は特に、騒がしい声を上げて仲間同士徒党を組んで歩き回っている。完全に輩だ。すれ違いざまに取り囲まれてあちこち触られたり、なんだか嫌な感じの言葉を投げかけられたりする。

恐怖の気持ちがどんどん強くなってくる。向こうから青年の一段がくると隠れるようになってきた。なるべく人がいない道を通って、なんとか寺院にたどり着く。

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寺院の入り口はまだ静かだった。少しだけ仲間内でフライングで粉をかけてる人たちがいるくらい。

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そして寺院の中。特徴的な屋根!

ああ、ここだ。Youtubeで動画を見つけて、ついに辿り着いた。これだけで胸がいっぱいで達成感があった。正直、ここでこれから本当に祭りが始まるのか疑わしいとまだ思っている。そのくらい、寺院の中は特に静かだった。

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↑特徴的な屋根の寺院

↓Youtubeで見かけた映像

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ここにいてもまだ祭りは始まらないみたいだ。ここでずっと待っていようか、それとも街に出ようか、と思っていたときに、なんと朝コーヒーを奢ってくれたおじさんが迎えに来た。心配して探しに来てくれたようだ。インドにはたまにこういう責任感の強い人がいる。

おじさんは汚れひとつない綺麗な服を着ていた筈なのに、ここに来たせいで色粉まみれだった。寺院には後ろ髪惹かれる想いだったが、「危険だから戻るぞ」と言われて、一度戻ることにした。正直、気持ちがびびっていたので少しだけ安心したのかもしれない。

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↑迎えに来たおじさんの後ろ姿。

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街の入り口の家に向かうおじさんについていくと、みんなが反対に寺院に向かっているような気がしてくる。こんな事してていいんだろうかとも思う。

でも寺院のあの静けさを思えばまだ時間はあるんだろう。それに全身ずぶ濡れだし、色々な人に色々なものをぶつけられてすっかり疲れてしまった。

せっかくこんなところまで来たのに、なんて情けないんだ。




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