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バントゴロス原野デッキガイド【ヒストリック】

※有料記事になってますが一番上から下までほぼ全部無料公開しています。
私はnoteで物を書くのはほぼ初めてでして、自分のMTG記事を読んでジュース代くらい払ってもいいかという奇特な方が現れるのかちょっと気になったので最後にほんのおまけの有料部分を付けてみました。おまけ部分は本当に短い内容になっております。

1.初めに

先日ジャンプスタートが実装されて以来ヒストリックをひたすら遊んでいる。そろそろバント原野がある程度形になったと思えたのでサイドボーディングを含めたデッキガイドを書くことにした。今からヒストリックの原野デッキをプレイしてみようという人にとってのとっかかりにでもなってくれたら嬉しい。

公開速度を重視してるので各部の詳細な解説について及ばない部分もあると思う。特にサイドボードガイドに関してはジャンプスタートリリースからここまであまり対戦できていないアーキタイプもあるので甘さが目立つかもしれないがご容赦いただきたい。

また筆者は現在ダイヤモンドランクである。ミシックランクに上がってから公開しようとも思ったが、この手の記事は鮮度が命と考えているのでできるだけ早く公開するべく今現在筆を執っている。一応、ゴールドランクから一日でダイヤモンドランクまで上がるまでこのデッキ一本で戦ってみた。

2.デッキリストと軽い解説

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MTGアリーナのインポート用デッキリスト

割とオーソドックスなバントカラーの《死者の原野》デッキ。やることは単純明快で、素早く土地をたくさん並べて《死者の原野》から発生したゾンビトークンで相手を撲殺する。それだけのデッキだ。

4枚入っているカードは基本的なものばかりなので、ジャンプスタート後に加入させた目新しいカード、マナベース、サイドボードについて軽く説明する。

【《ムルダヤの巫女》】

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多くのデッキでは《移動経路》が採用されている枠になる。除去されやすい生物であることは欠点だが、《移動経路》にはない利点として《死者の原野》と《廃墟の地》へのアクセスができることと単体で放置できないアドバンテージを生む点がある。そもそもデッキの半分が土地のデッキである上、カードを引いたりデッキトップをシャッフルできるカードが多いので、時としてすさまじい爆発力を発揮する。ぜひ一度試してみて欲しい。

《移動経路》を採用しない理由としては《山》と《沼》を採用しなくて済むというのもある。マナベースのところで述べるが実質無色土地となる山と沼は構築に掛かる負荷が大きかった。
それに《夢を引き裂く者、アショク》というカードの存在も地味ながら意識している。墓地対策とサーチ系カード対策を兼ねるこのカードはそこそこの数のデッキのサイドボードに採用されていてて、これにより移動経路4枚とゴロス4枚が機能不全となると少々問題が起こるが、影響を受けるのがゴロスだけならあまり苦にならない。

【マナベース】

マナベース

2枚被ってしまうリスクを負ってでも各種ギルドランドを2枚ずつ採用しているのは序盤の安定性の確保のため。
スタンダートのころの原野デッキは《成長の螺旋》しか2マナカードが入っておらず多くの場合3ターン目が初動でも初手キープするデッキだった。しかし《探検》が加入した今は2ターン目に緑を含む2マナの捻出がほぼ必須となり、緑マナソースとアンタップインランドの総数にかなり気を配らないといけなくなった。
また対アグロデッキの後手番では3ターン目に《空の粉砕》のキャストを要求されることも珍しくなく、3色全ての色マナソースを十分確保しなければいけない。正直なところ色マナソースの数は十分とは言えないが、必要な基本地形や無色地形の枚数との兼ね合いを鑑みてこのマナベースで妥協している。

《廃墟の地》は同型用。第一ゲームは特に《死者の原野》を何枚維持できるかで勝負が決まりやすい。サイドボード含めてどの無色土地を何枚採用するかはメタゲームと使用者の好みが出る部分だ。自分は《ファイレクシアの塔》と《ギャレンブリグ城》を採用して《絶え間ない飢餓、ウラモグ》をブーストするなんて構築も試してみたりした。

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《エルフの再生者》やゾンビトークンをサクって加速してウラモグ…!?
なお安定性の観点から没に。

【サイドボード】

《墓掘りの檻》

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このカードの採用理由は幅広い墓地対策というよりは特定のアーキタイプへの負けず筋を消す目的である。ずばりラクドスの《ボーラスの城塞》だ。

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バント原野がラクドスに負けるパターンとして最も多いのが《ボーラスの城塞》+《波乱の悪魔》での即死コンボである。全除去と死者の原野でクリーチャーによる攻撃をシャットアウトしても角度の違うコンボで圧殺されてしまうのだ。それを防いでくれるのが《墓掘りの檻》の一番の仕事。

また対ゴブリンでも実は効果があり《人目を引く詮索者》と《上流階級のゴブリン、マクサス》の効果でゴブリンが場に出るのを防げる。(あくまで効果を防ぐだけで直接的には盤面に関与しないので必ずしも強いわけではないが)

ちなみに墓地対策としての信用度はかなり低い。ケシスや死の国からの脱出コンボにはテフェリーでバウンスされて簡単にコンボを決められてしまう。ないよりはマシ程度に捉えておこう。

《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

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主に同型対策。詳細はサイドボードガイドのところで述べる。

《ボジューカの沼》

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サーチできる墓地対策。お守り程度ではあるが1枚採用するだけで4枚のゴロスからサーチできるので費用対効果に優れる。

3.マッチアップ別サイドボードガイド

今現在ヒストリックのBO3ラダーでよく当たるデッキに対してのおおまかな相性差とプランニングについて。こなしたマッチ数はたかが知れているのでとてもじゃないが全てが正確とは思えないが、デッキのプレイの指針として参考までに眺めていただければと思う。

■ミラーマッチ
IN
4《神秘の論争》
2《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
0~1《霊気の疾風/Aether Gust(M20)》
OUT
4《空の粉砕》
2~3《時を解す者、テフェリー》

相性は五分五分。

ミラーマッチは何層かのステージに分かれて試合が進行する。
具体的には以下のようになる。
①土地が詰まらず序盤のマナブーストができるか
⇒言うに及ばす。
②《不屈の巡礼者、ゴロス》が着地するか否か
⇒《死者の原野》の枚数差がつくのに加えてゴロスの起動能力で好き放題暴れられては敗戦は必至。
③必殺技の有無
⇒①②で差が付いていない場合、膠着状態となり一撃必殺の大技が勝負を決める。分かりやすいのは当リストで採用している《風景の変容》やウギンやウラモグ。他には《孔蹄のビヒモス》を採用しているリストも見かけた。《ハイドロイド混成体》はそれ自体はそこまでの価値はないがこれらの大技にアクセスできる。《ムルダヤの巫女》も除去が減るサイド後は場に残ってドローをもりもり進めるので優秀だ。

これを踏まえて、多くのステージで活躍しやすい最も堅実なサイドカードは《神秘の論争》となった。相手が《時を解す者、テフェリー》を何枚サイド後に残しているかは読みづらく《軽蔑的な一撃》のようなゴロスを打ち消すためだけのカウンターには裏目もある。論争ならテフェリーにも当てやすいし、最序盤に《成長のらせん》や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を妨害する可能性もある。

もし同型が今以上に増えてくるのなら《崇高な天啓》や《旋風のごとき否定》の採用も視野に入るかもしれない。相手のウラモグや巨大なハイドロイドを完璧に処理できるのは魅力だ。特に《旋風のごとき否定》はゴロスにも撃てる軽さだから悪くないかも?テフェリーでは無力化するが…

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《夢を引き裂く者、アショク》をサイドインするかは相手の構成による。ギルド門を採用していたり、風景の変容や移動経路を多用している節があるならサイドインしてもいい。ただアショク自体は後引きで何の役にも立たず、相手の構成やサイドボーディングによって威力が大幅に変わるためサイドインするのにはそれなりのリスクもある。

《霊気の疾風》に関してはマナ加速系カードには当てることができるので上手く働くこともある。ただ最も重要なゴロスにはヒットしないし、テフェリーで完全に無力化されやすいカードでもある。相手がムルダヤの巫女を採用している場合はサイドインするだろうか。

夢を引き裂く者、アショク

あんまアテにならん子。少なくとも自分のリストはこいつのせいで負けたことはまだ一回もない。

■対ラクドスサクリファイス
IN
2《墓掘りの檻》
1《不可解な終焉》
1《敬虔な命令》
1《時の一掃》
1《ボジューカの沼》
OUT
2《時を解す者、テフェリー》
1《ムルダヤの巫女》
1《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2《廃墟の地》

相性差はやや有利程度。

基本戦略は非常に分かりやすく、全体除去で凌いでゴロスで攻守逆転後、ボーラスの城塞コンボが決まる前に速やかに勝利を目指す。
テフェリー、ムルダヤ、ウーロは少し働きにムラがあるので少しずつ減らしているが完璧な正解はまだ模索中。実は先手番は《神秘の論争》が案外悪くないんじゃないか説もある。

《夢を引き裂く者、アショク》はインしない。ラクドスは墓地対策だけで死ぬデッキではないし、アショクに3マナとカード1枚を支払ったせいで盤面の整理が追いつかなくなる場合のほうが多い。過剰な墓地対策は逆効果。

■対ラクドスパイロマンサー
IN
2《墓掘りの檻》
1《不可解な終焉》
1《霊気の疾風》
1《敬虔な命令》
1《時の一掃》
1《ボジューカの沼》
OUT
3《時を解す者、テフェリー》
1《ムルダヤの巫女》
1《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2《廃墟の地》

基本的には対サクリファイスとあまり変わらない。相性はやや有利。

テフェリーはバウンスしたいクリーチャーが全て2マナなので弱く《死の飢えのタイタン、クロクサ》《若き紅蓮術師》のために《霊気の疾風》を加える。
《ムルダヤの巫女》は《ショック》で対処されるためメインは弱いが、相手がサイドアウトする確率はそれなりに高いためサイド後は活躍することもある。

■対ゴブリン
IN
1《墓掘りの檻》
1《不可解な終焉》
1《霊気の疾風》
1《敬虔な命令》
1《時の一掃》
OUT
4《時を解す者、テフェリー》
1《廃墟の地》

相性は五分五分~少し不利。ラクドス系よりも速度がある上に即死コンボじみた挙動もあるため押し切られやすい。また後続を補充する系のゴブリンが多く全体除去への耐性もある。《空の一掃》から淀みなくゴロス死者の原野やウギンに繋がって制圧できることを祈ろう。
このマッチアップをより有利にしたいなら追加の《霊気の疾風》と全体除去が必要になるだろう。あるいは《風景の変容》を増やして短期決着のパターンを増やす。

身も蓋もない話をすると、このマッチアップの勝敗はゴブリン側の引きに大きく依存する。ゴブリンというデッキは低マナ域のカードが強いカードと弱いカードにくっきり分かれていて、強いところばかりを固めて引かれれば圧殺されるし、逆に相手がマリガンしたり序盤がスカスカなキープをしてきて簡単に勝ってしまうこともある。

■対エルフ
IN
1《不可解な終焉》
1《霊気の疾風》
1《時の一掃》
OUT
2《時を解す者、テフェリー》
1《廃墟の地》

相性は五分五分~やや有利。
ゲームの帰趨は単純で、全体除去が決まるかどうかが全て。エルフ側が最序盤ブン回って、かつ《英雄的介入》を構えられた場合はどうしようもない。このマッチアップが気になるようなら《敬虔な命令》は他の除去に差し替えたほうがいいだろう。

109_jpn英雄的介入

■対4Cケシス
IN
4《神秘の論争》
1《不可解な終焉》
1《敬虔な命令》
1《夢を引き裂く者、アショク》
1《ボジューカの沼》
OUT
4《時を解す者、テフェリー》
2《空の粉砕》
2《廃墟の地》

相性は不利。普通にやっていても負けてしまうので都合よくブン回りながらピンポイントで妨害を挟んで圧殺できるように祈ろう。

もう少し対策を厚くするなら《夢を引き裂く者、アショク》を増やし、《空の粉砕》も残して墓地を掃除しつつコントロール風に振る舞うプランがよいと思う。少なくともダイヤ帯下位まではほとんどケシスとマッチングしなかったので今は対策を緩めている。

■対青系コントロールデッキ

筆頭は青白コンだがグリクシスもなぜか根強い人気がある。ボーラス様カッコいいもんね。

IN
4《神秘の論争》
2《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
OUT
4《空の粉砕》
1《風景の変容》
1《探検》or《神聖なる泉》or《平地》

相性は大幅有利。ただし相手が原野デッキをガンメタしている構成、具体的には白青2色で《覆いを割く者、ナーセット》と《廃墟の地》、加えて大量のカウンターという構成だと五分五分程度まで下がり得る印象。

《風景の変容》は対策カードにもろに引っかかるのでほぼサイドアウト。

黒を含んだデッキからは《悪性の疫病》、赤いデッキからは《血染めの太陽》をよくプレイされるが、実際はそこまで対策として機能しない。これらの《死者の原野》対策専用カードは素早くゲームをクローズできるアグロデッキが使うと強いのだが、それができないコントロールデッキで使っても結局はいずれゴロスからの爆発域、ウギン、ウラモグで吹き飛んでしまう。コントロールで使える土地対策カードは基本的には《廃墟の地》がベストだ。《血染めの太陽》に関してはキャントリップがあるので問題ないが《悪性の疫病》や《夢を引き裂く者、アショク》のようなともすればアドバンテージを失いがちな対策カードは取り扱いに注意。

■対青単、および青白スピリット
IN
4《神秘の論争》
1《不可解な終焉》
1《時の一掃》(対スピリットのみ)
OUT
0~1《エルフの再生者》
1~2《不屈の巡礼者、ゴロス》
1《精霊龍、ウギン》
2《廃墟の地》

相性は無理ゲー。そのため無視している。《クロールの銛撃ち》や《変容するケラトプス》を複数枚まとめて採用しない限り勝つことは難しい。
幸い現在のヒストリックラダーには圧倒的にアグロデッキが多いためそれらに弱い青単とそれに準ずるデッキは少数派にとどまっていると思う。

JP019変容するケラトプス

こいつがいないと青単は厳しい…。

■対グルールアグロ
IN
1《不可解な終焉》
1《霊気の疾風》
1《時の一掃》
1《スラーグ牙》
OUT
3《時を解す者、テフェリー》
1《廃墟の地》

相性は少し不利。生物対策を対ラクドスと部族に寄せている分グルールには手が回らない感じになっている。
もし意識して勝率を上げたいなら《霊気の疾風》の追加と、ゲームの蓋をする役割として《長老ガーガロス》《悪斬の天使》《大食のハイドラ》などを採用するとよいだろう。速攻生物の束であるグルールに除去で対応し続けるのは難しいため、ストッパーとなる大型クリーチャーを採用した方がいい。

4.最後に

本当にざっとではあるがバント原野デッキについて解説した。環境を定義するトップメタの座に付けるかはまだまだ分からないが、いまのところ多くのデッキに対して五部に近い戦いができ、デッキチューニングとサイドボーディングで戦略の幅が広がりやすい良いデッキだと思う。

プレイングは簡単な部類に入るデッキだと思うので、今までヒストリックに触ってこなかった人にも勧めやすいデッキだ。


それはそうと、次はこれをガッツリ回したいと思っている。

再生

スタンダートの絶対王者デッキに《探検》が追加…ゴクリ…


※以下、ほんのおまけの有料部分になります。

バントゴロス原野デッキの改案

現在考えている改修プランをいくつか掲載しておく。
メタゲームは生き物、常に適応していかなければいけない。

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