ヒストリックBO1《ゴブリンの放火砲》

1.最初に

近頃はあまりヒストリックを遊んでいなかったのだが、兄弟戦争で《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》がMTGアリーナでも実装されたのを受けてデッキを組んでヒストリックBO1ランクマッチをプレイしてみた。結果ブロンズランクからミシックまで到達できたので一応のまとめとしてデッキの紹介と調整録的なものをまとめることとした。あまりにも局地的すぎる内容だが誰かの役に立つ…かもしれないしね…うん…

2.デッキリスト

Deck
4 Goblin Charbelcher (BRR) 18
4 Shatterskull Smashing (ZNR) 161
4 Akoum Warrior (ZNR) 134
4 Valakut Awakening (ZNR) 174
4 Spikefield Hazard (ZNR) 166
4 Kazuul's Fury (ZNR) 146
4 Emeria's Call (ZNR) 12
3 Turntimber Symbiosis (ZNR) 215
4 Irencrag Feat (ELD) 127
4 Skirk Prospector (DAR) 144
4 Goldhound (SNC) 108
4 Strike It Rich (MH2) 143
4 Sea Gate Restoration (ZNR) 76
4 Strangle (SNC) 125
4 Pact of Negation (AKR) 73
1 Voltage Surge (NEO) 171

3.デッキを構築するにあたって

まず前提として、ヒストリックBO1というのは4ターンKILLが環境の基本

ヒストリックBO1アグロ四銃士を連れてきたよ!

イゼット果敢・エルフ・赤単・アーティファクトアグロは妨害なしでは安定の4KILL、最速では3killも可能なデッキで、この環境で生きていくにはこれらのデッキと渡り合えるスピードを持つかあるいはこれらのデッキに負けないような構造が必要

なので基本ムーブは
1Tタップインセット
2Tタップインセット 1マナマナ加速キャスト 
3Tボルトインセット 放火砲設置 or 持っていればアイレンクラッグ
あるいはどこかで1マナの除去呪文を挟んでの4T放火砲になる。妨害を挟めないと、多くの場合「後手4ターン目」はこのフォーマットには存在しない。

リストを見てもらえば分かるがドローサポートやサーチ呪文は一切入っていない。これはキャストするタイミングがないからだ。ドローやサーチで手札にコンボパーツ揃えてもそれをキャストできるターンは来ないのである。

じゃあどうやって放火砲引くんだよ!毎ゲーム4枚しか入ってないカード引けるわけねぇじゃん!という話になるのだが答えは簡単で「放火砲引くまでマリガンする」しかない。デッキが金太郎飴構造なので3マリくらいまでは特に問題なく、4~5マリでも十分勝機はある。

一応ラクドスミッドレンジと青白コントロールというある程度受けに回るデッキも環境に存在するのだが、使用率でいえば前記のアグロデッキのほうが圧倒的でありあまり考慮に入れていない。というか青白コントロールには何をどうやってもド不利だし対ラクドスは相手が《思考囲い》を引くかどうかでほぼ全てが決まるのでその辺のマッチアップを意識して構築を歪めるのは費用対効果が悪い。カウンターやハンデスが多い環境で放火砲を使うのはそもそもただの馬鹿だ。アグロデッキに対してスピード勝ちすることだけを考えるべきだ。

4.非採用のカード

緑のカードを採用するのはマナベース的に厳しい。後手3ターンKillを現実的に可能とする《アイレンクラッグの妙技》はデッキに不可欠で、それと併用するのは安定性に欠ける。それにそもそも緑の1マナのマナクリーチャーはこのデッキにおいては赤の使い捨てマナクリーチャーとほとんど役割に差がない。

各種の2マナの加速カードはキャストするタイミングがない。2マナのマナ加速を挟んで3ターン目に放火砲をキャストするにはボルトランドを2枚引く必要がある上にライフを3点余計に失う。しかも《アイレンクラッグの妙技》をキャストするにはかならず《髑髏砕きの一撃》とセットで引かないといけない。トータルで見て2マナのマナ加速カードを入れるより1マナの除去カードを入れることで相手を1ターン遅らせる方がよい。

対してなぜこれらのカードを採用しているのかというと「赤1マナ以下の支払い」で「1ターン作ってくれる可能性が高い」からである。このデッキは「2ターン目に2マナのカードをキャストするのは非現実的」かつ「3ターン目にマナ加速をプレイすることはほぼ無意味」なので採用するべきカードは1マナのマナ加速>1マナの妨害カード>土地>その他となる。

《否定の契約/Pact od Negation》はカウンターやアーティファクト破壊を持つデッキに対してワンチャン作るだけでなく、アグロデッキ相手にも相手のラストターンのダメージソース(速攻生物、火力、ロードなど)を消せば1ターンを作り出してくれる。(コストの後払いはスタックで放火砲を起動するだけなので無視できる)

(《電圧のうねり/Voltage Surg》に関してはこのカードがベストとは思わない。イゼット果敢のタフネス3クリーチャーを除去できる《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》のほうがいい可能性もあるし、なんならデッキを安定させる意味で16枚目のボルトインランドを入れるべきかもしれない)

2マナカードの中で唯一採用の余地がある。ボルトインランドを1枚引くだけで3ターン目に赤赤赤を含む4マナを確保してくれる。

ただ除去された時のリスクが大きい。2ターン目にキャストし除去された場合1マナのクリーチャーを展開した場合と比べてボルトインで3点余計にダメージを受ける。環境のトップであるイゼット果敢は1マナの火力呪文を8枚搭載しておりそれに対してあまりにも無防備なカードの採用は躊躇われた。

キャストできるタイミングが全くない。黒マナも出ない。
同じく環境に間に合っていない

赤マナソース2枚からアイレンクラッグが撃てるようになる。デッキ圧縮にもなる。が、設置の1マナを払うタイミングがない。

喉から手が出るほど欲しいドロー。しかしやはりマナが捻出できない。このカードが採用できないほどに、今のヒストリックBO1では自分のキルターンが縮むか相手のキルターンを伸ばすことに関与しないアクションにはマナを払っていられないのだ。

11月/27日追記

このカードはかなりアリだった。余ったタップインランドを切って1マナで効率よくカードを探せる。《信仰なき物あさり》と違いカードカウントで損しない使い方もでき、場合によっては2~3マナ使ってアイレンクラッグ/放火砲を探して次ターンに一気に決めるパターンも作れる。
ここまで基本的にサーチカードにマナを費やすことはできないと書いて来たがこのカードだけは唯一採用に値すると思う。

5.最後に

ここまで構築の理由を説明する形でざっとデッキを紹介させてもらった。

…うん、すまない、みんな知ってると思うけどこれ、クソデッキなんだ

相性がいいデッキ(放火砲への干渉手段がないデッキ)と当たれるか、先手を取れるか、放火砲を引けるか、もろもろ勝敗はほぼ全て運で決まる。ぶっちゃけMTGをしているか怪しいデッキだが、逆に言えば誰が使ってもミシック到達程度なら楽勝ということの裏返しでもある。頭も時間も使いたくないけどランクは上げたいというクソ野郎にぜひおすすめしたいデッキだ。

最後に一つだけ、《ゴブリンの放火砲》がヒストリックBO1において禁止カードになる可能性があることは留意。個人的にはこのデッキは禁止されるほど強力ではないと思うが(断言するがイゼット果敢のほうが遥かに安定性と柔軟性に優れ強力なデッキだ)、残念ながらこのゲーム全体の方針としてカウンターやハンデス以外で干渉しづらい即死コンボデッキは制限を受けやすい傾向にある。





かなりニッチなデッキ紹介&久々に文章を書いたので拙い内容だったと思いますが最後まで読んでいただいてありがとうございました。もし何かデッキに関して質問がありましたらツイッターにリプしてもらえればお答えします。

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