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【代表インタビュー#1】見えなかった世界を、見えるように。音声ガイドがもたらす価値と体験

こんにちは!
株式会社MEBUKUの広報・PR担当です。

公式noteをご覧いただきありがとうございます!

本noteのシリーズ「代表インタビュー」では、代表取締役・入江田翔太に、音声ガイドプラットフォームアプリ「Pokke」や弊社について、その思いを深堀っていきます。

第1回目は「音と旅の関係性〜音声ガイドでどんな体験が生まれるのか〜」をテーマに、なぜ音声なのか、音がもたらす価値などについてお話を伺いました。

入江田翔太
鹿児島県出身。東京大学建築学科卒業。株式会社MEBUKU 創業。47 都道府県、15 カ国以上を旅した経験を活かし、タビナカの体験価値向上に着目し、「その旅に、物語を。」をコンセプトに音声ガイドプラットフォームアプリ「Pokke 」を開発・展開。趣味は器集め。プロマジシャンとしても活動。著書に「東大式トランプマジック」など



音声は、見える世界を一気に変える


――音声ガイドプラットフォームアプリ「Pokke(ポッケ)」を開発しようと思った原点について教えてください。

もともと「僕たちはこの世界をほとんど味わえていないのではないか」と考えていたことから始まります。

例えば、音楽の世界だとクラシック音楽に長年触れていた人とそうでない人では、鼓膜を同じように振動させられたとしても、感じることは違います。

また、私は建築学科を卒業しているのですが、建築物を見たときに、建築を学んだ人とそうでない人が見るのとでは、その視点や捉え方も違うということです。

私の体験談として、以前何の知識もないまま歌舞伎を見に行ったのですが、意味を理解できず、面白くありませんでした。その後、また別の機会で歌舞伎の知識がある方と歌舞伎を見に行く機会に恵まれました。その際は事前にその日の演目について教えていただいたことで、とても面白かったことを覚えています。

弊社のミッションは「見えなかった世界を、見えるように」です。

世の中には、背景知識がない、原理が掴めない、捉え方が分からないなどの理由で、物事を十分に味わえないことがたくさんあります。そんな味わえていないこと、つまり見えなかった世界を見えるようにしたい。

そんな思いで「Pokke」は始まりました。

そういう物事を教えてくれる人(ガイド)がいることで、見える世界が一気に変わる、そんな体験を作りたいと考えています。

スマートフォンから流れ出す物語。聴けば聴くほど見えてくる、新しい世界


――ありがとうございます。見える世界が変わると、価値観も広がると思います。「Pokke」は音声ガイドですが、音声ならではの特徴は何だと思いますか。

音声の特徴は、視覚を奪わないことです。

旅行中に、歴史を知らないから価値が分からない、何をどう見たらいいのか分からない、海外の場合はそもそも日本語がないので分からないなど、そんな場面に出くわすことがあるのではないでしょうか。

実際に現地に足を運び、目で現物を見る。普段触れられないものに触れながら、補足情報として音を耳に入れ、その場所・その瞬間を楽しんでもらいたいと思っています。

――Pokkeはスマートフォンのアプリなので、アプリを事前にダウンロードしておけば、現地ですぐ聴くことができますよね。

そうですね。Pokkeという名前も、スマートフォンをポケットに入れて、音声ガイドを楽しんでほしいという思いからPokkeと名付けました。

旅先でスマートフォンを開いても良いのですが、せっかく現地にいるのでスマートフォンを見ている時間がもったいないと思います。そういう意味でも音声は最適なメディアです。

音声ガイドの価値は、見えない世界が見えてくること。音声ガイドでなければ生まれない体験だと思っています。

思考や行動を巡らせながら、感情移入できる物語を


――実際に音声ガイドを聴くことによって、私たちにもたらしてくれるものは何だと思いますか。

主に4つあると思います。

  • 知識を伝える

  • 注目すべきポイントを伝える

  • 感情移入できる物語を伝える

  • 思考や行動を促す

まずは、知識を伝えることです。これは「ここがどういう場所でどんな意味が込められているのか」「この場所でこんなことが起こった」という具体的な知識や事実を伝えるものです。

これに近いのが、注目すべきポイントを伝えることだと思います。これは「どこを見たらより楽しめるのか」という具体的な解説です。知識を淡々と解説するだけでなく、そこで行われてきた人間の営みをドラマのように伝えることで、音声ガイド(物語)の世界により没入できるのではないかと思います。没入することで、音声ガイド(物語)の世界に感情移入できるという点に繋がってくると思います。

その中で、音声ガイドを聴いてくれた方の人生に何かしら重なる瞬間がある物語を提供できたら嬉しいですね。

最後に、思考や行動を促すという点ですが、これも音声ガイドの役割として重要です。

例えば、茨城県水戸市にある弘道館の音声ガイドの中で”まずは立ち止まって、10 秒間、ゆっくりとこの場所の雰囲気を味わってみてください。”というセリフがあります。

知識を伝えるわけでもなく、何かを見てというわけでもない。そんな思考や行動を促すことも大切にしています。

――音声ガイドの役割は幅広いですね。実際に音声ガイドを利用したユーザーからはどんな声をいただきましたか。

ユーザーからいただいた声は以下の通りです。

  • 目に入る景色の意味を深いところまで理解することができ、とても貴重な体験になった

  • 自然に姿勢や体勢をリードしてもらい、知らないうちに物語が入ってきた

  • 当時の武将も自分が今座っている場所に思いを巡らせていたかもしれないと言われたときが一番ドキりとした

  • 音声であり且つ持ち運びながら聴けるので、建物や資料に目を集中させながら繰り返し聴けるというのは、耳と目同時進行で行えるのでとても良い経験でした

音声ガイドの制作において、まさにこういったユーザーの体験を作っていきたいという思いがあったので、このような反応がもらえてとても嬉しかったですね。

セリフや効果音、現地の人のリアルな声……。音声ガイドだからこそ伝えられる「音」の数々


――そういったユーザーの声はありがたいですね。そのほか、音声ガイドだからこそ伝えられる「音」はありますか。

主に3つあると思っています。

  • 効果音やセリフで臨場感を増す

  • 普通には聴けない音を届ける

  • 案内人の「声」で届ける

【音声ガイド】松本城ー戦う城

松本城の音声ガイドでは、合戦の時の効果音を入れました。また、”敵が目の前に来ています!ご決断を。”といったセリフを入れることで「当時の人がこんなふうに戦っていたのではないか」という想像もできます。臨場感あふれる音声ガイドになったと感じています。

【音声ガイド】九十九島水族館海きらら

九十九島水族館海きららの音声ガイドには、効果音としてイルカの声を入れました。イルカの声は、超音波も含めた音で人間の耳には音として聞き取れないものもあります。運が良ければ聞こえる、逆に運が悪ければ聞こえない、そのような音を伝えられるのも、音声ガイドならではの特徴です。

【音声ガイド】稲城フィールドミュージアム 稲城の歴史と文化にふれあうまち歩き

駒沢女子大学人間総合学群観光文化学類の学生と連携し制作した音声ガイドもあります。「稲城フィールドミュージアム 稲城の歴史と文化にふれあうまち歩き」という音声ガイドなのですが、キャンパスのある稲城市を舞台に、学生自ら取材や音声ガイドの原稿執筆、音声の録音まで手掛けてもらったものです。地域の歴史や文化、伝統を地元の若者目線で描いています。
コロナ禍で広まった地元再発見のマイクロツーリズムに応えるとともに、学生たちの教育にも貢献しています。

プロモーションという軸で、有名な声優さんや芸人さんをキャスティングすることが多いのですが、今後はこのような現地の人の声で物語を届けることも積極的にしていきたいと考えています。

知識のその先へ。
音声ガイドの役割は、好奇心の火を灯すこと


――最後になりますが、改めて今後Pokkeが届けていきたい世界観やその役割について教えてください。

Pokkeとして提供したい本質的な価値は、歴史やストーリー、その背景といった知識だけでなく、その先にあるものだと思っています。

その場所のストーリーを通して、音声ガイドを聴いた方が世界をよりよく見られるように、そしてよりよく捉えられるようにすること。

Pokkeの価値は「新しい世界の見方を手に入れるためのヒントを提供すること」だと考えています。

その場所に立ち、その場所を見ながら、その場所を感じる。そして異なる時代に思いをはせる。さらに、今の自分の価値観や環境と向き合ってみる。

そうすることで、視野が広がり、世界をより広く感じられるのではないでしょうか。

「新しい世界の見方を手に入れるためのヒントを提供する」と言いましたが、以前世界遺産や日本遺産の語り部として有名な黒田尚嗣さんと対談した際に「ガイドの役割は好奇心の火を灯すこと」とおっしゃっていました。音声ガイドもまさに同じだと思います。

入江田と黒田尚嗣さんの対談は以下より

知らなかった世界に足を踏み入れ、見えなかったものが見えてくる。その結果として好奇心の火が灯る。

そんな音声ガイドをこれからも制作していきたいですね。


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