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シールド戦は何が面白いのか【TCG、ポケカを考えるシリーズ①】

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クリムゾンヘイズのシールド戦の情報がリリースされた。
ポケモンカードにおいては、1年に1回ほど、シールド戦が開催されている。
昨年は、「トリプレットビート」
一昨年は、「白熱のアルカナ」で開催された。
「白熱のアルカナ」では、「ルカリオ」のプロモカードが賞品として予選1位の選手と本戦トーナメント1位の選手に配布され、「トリプレットビート」では、「コライドン」と「ミライドン」のプロモカードが賞品とランダム賞として配布された。

私は、拡張パック「スターバース」からポケカを始めたので、この二つのシールド戦の時期しか知らないが、シールド戦は良くも悪くも大盛り上がりだったように覚えている。その原因として真っ先に挙げられるのは、異常に高騰していた賞品だったと思う。

今回は、もらえるものと言えば、プロモパックと「ネモ」くらいだ。
積極的にシールド戦に参加したいという声も、私が聞く限りでは少ない。
我々があれだけ熱狂したシールド戦の熱は、賞品によって左右されてしまうものだったのか。
あえて挑戦的に言うと、そんなシールド戦は、果たしてオワコンなのであろうか。
逆に言うと、シールド戦の面白さはどこにあるのだろうか。

シールド戦とは何か

シールド戦は、1BOXの半分、つまりは15パックを剥いて、その中から出たカードでデッキを組むという遊び方である。
40枚のデッキで行う。サイドも4枚だ。自分がパックを剥いて当たったカードと店が用意するエネルギーカードを用いてデッキを作る。

いつもは、みんなが同じカードプールで自分で好きなカードを使って戦うのに対して、シールド戦では一人一人使うことができるカードが異なる(個人によってカードプールが異なる)。
厳密には、収録パックのなかの組み合わせの問題なので、確率的には全く同じカードプールだったということは起き得るが、まず同一会場では起こり得ないと言っていい確率だ。
みんなそれぞれの枷を嵌められた状態で戦うことになる。

シールド戦の面白さ

では、このようなシールド戦での面白さとは何か考えていきたい。
上で見たように、シールド戦では、それぞれにそれぞれの枷を嵌められた状態で戦うことになる。一見、「運ゲー」のように思える。
しかし、果たして本当にそうか。
私が考えるにシールド戦の面白さは、そのカードプールの狭さに規定される。
例えば、レギュレーションがスタンダードの場合、数千枚のカードプールで行う。一方で、クリムゾンヘイズは66種類のカードで構成される。したがって、考えるべきカードプールが極端に少ない。

しかし、パックを剥いて、デッキを作る時間は比較的ゆったりとしている。これによって、パックから出てきたカードを把握し、カードプールで作られうるデッキに対して手持ちのカードで戦い得る術を見出すことができる。

これは、実はかなり難しい知的な術だ。

ところで、新しいパックが発売される1週間前に収録カードリストが発表されることが多いですが、このカードリストはチェックしているだろうか。
私は、友達とそのカードをHP、とくせい、わざ、わざの必要エネルギー、わざの効果、弱点、抵抗力、逃げるためのエネルギー等対戦で参照される個所を読み上げている。

これを続けているとカードとカードとの繋がりが見えてくる。
今回のカードで言うと…

テツノイバラex 
HP230、、、220ラインは超えるのか
少し耐久力があるな、ストームダイブやトリニティノヴァ、サイド1枚とった時までのバーニングダーク、
おとぼけスピットを二回耐えるのか....
とくせいは、未来のポケモンのとくせいはなくならないのか、ルールをもたないポケモンのとくせいもなくならないから、ハイパーブロアもなくならないのか...
お、にげるためのエネルギーが4だから、ヘビーバトンが使えるな...、テツノカイナexも雷エネルギーが必要だから、一緒に使えるかも...。
などなど。

このようにカードとカードとの繋がりを意識しておくことで、対戦中だけでなく、デッキを作る段階でも大きく役立つ。このようなカードの知識やカードとカードとの繋がりを新弾直後に頭に叩き込んでおくことは、競技的なシーンで後れを取らないことに非常に有用である。なぜなら既にネットにアップされている情報は、既に遅いものであり対策されてしまうため、勝ち切れる期間は短い。それは、メタの回り方の早さからもわかるだろう。(とは言っても、なかなか初めてではどのように新弾カードリストを見ていけばいいのかイメージがつかないかもしれないので、例として一つの動画を共有します)
それより長い期間あるいは大きな大会で勝とうとすると、デッキを開発あるいは調整する必要があることがわかる。

このデッキを開発あるいは調整する力の基になっているのが、カードを把握する力でありカードとカードとの繋がりを理解する力ではなかろうか。
確固たるカードの知識とそれを表現する力である。より深いポケモンカード力(りょく)とも言えそうである。

ここで逆に言うことができる。シールド戦では、カードプールが限られているため、すべてのカードを事前に目を通すことは比較的容易である。
つまり、カードの知識という前提条件がそろえられた状態からスタートすることができる。そして、そのカードとカードとの繋がりやデッキに落とし込むという力が変数として限定される。

「そんなカードの使い方があったなんて!」/「そんな戦略があったなんて!」ということは起きうるかもしれないが、「そんなカードがあったなんて!」ということは起き得ない。

恥ずかしくも、自分のカードゲーム力に跳ね返ってくるとも言えるだろう。

大分長くなってきたので、ここで一つの結論を出して終わろう。
シールド戦は、よりカードゲーム力が露わになる遊び方である可能性が示された。
また、これが一つの正解であるならば、このような結論がシールド戦にとっての醍醐味の一つであると言えるだろう。

過去記事は、こちら
https://note.com/pokeuniver/n/n36a703eca0a3

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