姫石らきは終わらない夢を見る
チャオ!しんさくンネ🐹です。
アイカツオンパレード、終わっちゃいましたね…寂しさもあるけど、新シリーズのノエル編が嬉しすぎて相変わらずニコニコしてます。
今回は改めてこの「アイカツオンパレード!」という作品の構造を、姫石らきを中心に考察していきます。
アイカツシステムと世界線
アイカツシステムとは、アイカツシリーズ内でアイドルがドレス姿に変身するために用いられるシステム。スターズではシステム自身がアイドルを選別しドレスまで作ってしまうというシリーズ上でも謎多き「箱」である。今作ではこのアイカツシステムに対し、姫石らきの姉であり、アイカツエンジニアである姫石さあやが改良を加える事で起こった世界変動(アイカツ界の融合)がストーリーの土台となる。
エンジニアの姫石さあやは、新米アイドル姫石らきのアイカツパスに細工を施し、それがキーとなってアイカツ界(無印世界線・スターズ世界線・フレンズ世界線)の融合が始まった。
第3話のラストでは、らき達がスターズ界で長い時間を過ごした後、フレンズ界に戻ると時間がほとんど進んでいない描写がなされている。イメージとしては別の世界線にいる間は、元の世界の時間は凍結されているというものだ。
話が大きく動くのは第9話「乗っちゃお!ビッグウェーブ」
8話までは、フレンズ界が無印かスターズどちらかの世界とつながるだけであったが、ここではついに無印とスターズのキャラクターが邂逅する。また、さあやも登場するが、システムの詳細には触れず「これからは光るアイカツパスを使わなくても、スターライト学園や四ツ星学園に行き来できる」とだけ言い残して去っていく。その言葉通り以後はらきのパスなしで世界が加速度的に融合していく。
アイカツオンパレードとはなんだったのか
8話から25話にかけては、無印でもスターズでもフレンズでもない、新たな世界線「オンパレード時空」が誕生し流れていく。伝説と伝説、シリーズの枠組みを超えた夢の共演。まさにオンパレードの醍醐味である。しかし、ここでのらきはキラキラしたアイカツシリーズではかなり目に付くレベルで先輩方に叱られる。ある種の現実味を感じる描写も多かった。
それでも、らきは持ち前の前向き思考で、先輩たちの力を借りながらも夢であった「自分だけのプレミアムレアドレス」を編んでいく。イレギュラーな結果とはいえ、昔からの夢を叶えたと言えるのが、オンパレード時空での出来事である。
さらにもうひとつの主題として、らきが多くのアイドルと出会い、思いを受け取ったことによるリボンの完成が挙げられる。これまでアイカツシリーズに脈々と受け継がれてきた光のライン。これを丁寧に汲み取りリボン状に結んだ(∞)のがオンパレードだったとも言える。
「終わりを迎えた」オンパレード
第25話「光る未来へ」でラストステージを終えると、らき達の前には再び扉(アイカツシステム)が現れ、各々のもといた世界へ帰っていく。
フレンズ界に帰ってきたらきには「なんだか長いゆめを見ていたような」違和感だけが残りこれまでの記憶が曖昧になっていた。その後のたまきさんとの会話でフレンズ世界線から見たオンパレード時空は確かに「夢」であった事が示唆されている。
しかし彼女のバインダー(おそらく最後のページ)にはオンパレード時空で完成させた「リルリボンストーリーコーデ」が。これによって、らきのオンパレ界での記憶も戻っている。まさに「思い出(オンパレードでの出来事)は未来(今いる世界の延長線上)のなかに」の構図である事が読み取れる。
ここで考えられるのが、らきがもう一度「リルリボンストーリーを着る未来」に辿り着くことが確約されているのかということ。少なくとももう一度3つの世界が1つになる事は、後のカットから読み取れるが、25話以降の世界線では、らきはわかばとフレンズを組み、本来想定されていた過程とは違うものを選択している。
このことから、おそらく無数に存在するアイカツの世界線だが、オンパレード時空が繰り返されることはなく、25話のラストステージをもってあの世界線は確かに終わりを迎えたと言える。(どの世界線にも共通する、ひとつの終わりの瞬間であるリルリボンは残った)
姫石らきは夢を見る
オンパレードとはなんだったのかという話に戻ると、「終わり」を決定付けることによってその存在を確定させる「現実」の物語であったと捉える事ができる。であれば、オンパレード時空から見た「無数に存在する終わらない物語」(25話以降のフレンズ世界線)とはまさに「夢」のお話であると考えられる。
前述したとおり、姫石らきはオンパレードでこれまでずっと続いてきた「SHINING LINE*」を結ぶ(∞)ことによって終わらせている。
第1話では既にらきが別の世界線でアイカツ界の融合を見ているようなシーンも挿入されている。(結末が示されていないのでフレンズ界そのものもまた「夢」である可能性を孕んでいる。)
オンパレードでの経験とリルリボンコーデ、ある種の強くてニューゲームを想起させる終わり方。そしてらきがわかばの前で語った新しい夢。アイカツらしい『夢』の広がりとつながり続けるバトンを感じさせてくれた。
「憧れ」のように生きること、それこそが人生なので、私たちはその夢にすぎない。
新シリーズ「ノエルドリーム」
オンパレードの後続として発表されたwebアニメ。無印のキャラクター音城ノエルをメインヒロインとしてストーリーを展開している。
元々虚弱体質であるノエルがステージで元気に歌う姿は、まさに彼女自身がかつて描いていたであろうドリームを想起させる。ここでの世界線は融合していること、舞台が無印に戻ってきていることから、既にらきの結んだ円環の中にいるとも考えられる。
終わらない夢、それは審判の日が訪れない楽園そのものである。
終わりに
最後のシーンを考えたときに最初はタイムリープ説(ラッキーではなく決まっている未来)だと面白いなと思ったんですけど、いろいろ辻褄が合わなくてここに落ち着きました。
こんなことより、最終回のSHINING LINE*が解釈一致すぎるって話を…したい。
意見・感想待ってます🎀
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