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みじかいやつ

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300字未満の短い読み物
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#小説

140字小説「干潟」

掌編小説「舞い散る」(100文字)

宮廷画家だった妻は、王室からの依頼で遠い東の国へと旅立った。 しばらくして帰って来たのは…

掌編小説「双曲のトワイライト」(260字)

宮廷音楽家である父の命令に従い、諸国を回り修行を積むこと早十年。 帰ってきた私のフルート…

掌編小説「悪夢」(80字)

夢を見た。全てを失う夢。 地位も、富も、愛する人も、なにもかも。 目を覚まして理解する。 …

掌編小説「カレーを作ろう」(200字)

女のカバンから出てきたのは、廃棄寸前の見切り品ばかりだった。 古くなった人参、色の悪くな…

掌編小説「涙橋」(300字)

江戸にまで噂の届く、大工泣かせの涙川。常識外れのその急流、幾人の名工が挑んで橋の一つも架…

掌編小説「ロング・ドライブ」(250字)

秋を迎え、少し日が落ちるのが早くなっていた。 夜景が見たいと言われ、取得したばかりの免許を財布に仕舞って曲がりくねった道を登る。 夜。山道。しかし、慣れた道。 事故があってはならないから。何度も練習しに来たのだと言うと、君は少し不機嫌になった。 二人で初めて来たかったのにな。 山頂、眼下に広がる光景を前に、跳ねてはしゃぐ君に告げる。 「次は二人とも初めての場所へ行こう。あ、あとさ、け、けけけ結婚してくれないか!」 頭が真っ白になった僕を、君が強く抱きしめる。 「

掌編小説「かつての天才は」(150字)

生まれてすぐの頃から、周囲の言葉を理解していた。読み書きが出来るようになるのも、そう時間…

掌編小説「渇き朽ちるまで」(100字)

来たる食糧危機に備え、葉緑素を皮膚に埋め込む技術が開発された。 水と太陽光さえあれば、養…

掌編小説「花と散る」(200字)

君とは、あまりにも身分が違う。己は士族の長男として育った。しかしながら君だけが、己の草花…

掌編小説「モデル・スマイル」(300字)

娘のリコは楽しそうにクレヨンで絵を描いている。 私は夕飯の支度を進めながら、その姿を見て…

掌編小説「雷鳴」(200字)

街で小さな雷鳴を見つけた。 私を威嚇しているのか、此方に向けて唸っているように聞こえる。…

掌編小説「私の絵」(400字)

乗り物や動物ばかり描いていたから。ある時ママに「人間も描いてみたら」と言われた。 真っ白…

140字小説「寂しがり」