掌編小説「ロング・ドライブ」(250字)
秋を迎え、少し日が落ちるのが早くなっていた。
夜景が見たいと言われ、取得したばかりの免許を財布に仕舞って曲がりくねった道を登る。
夜。山道。しかし、慣れた道。
事故があってはならないから。何度も練習しに来たのだと言うと、君は少し不機嫌になった。
二人で初めて来たかったのにな。
山頂、眼下に広がる光景を前に、跳ねてはしゃぐ君に告げる。
「次は二人とも初めての場所へ行こう。あ、あとさ、け、けけけ結婚してくれないか!」
頭が真っ白になった僕を、君が強く抱きしめる。
「