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雑記(2023年夏、変化と進化を続ける@onefive)

気が付けば8月も半ばにさしかかり、このテキストを書き始めた8月13日現在で残っている@onefiveのフェス/ジョイントライブへの出演予定は、8月15日のKAWAII SONIC、8月26日のコネコレロックの2回となった。8月23日にはAVEXからの(フィジカルとしては)2ndシングルとなる『Justice Day』がリリースされ、その後は再びリリースイベントが各地で行われることになる。

4月、EX THEATER ROPPONGIのステージで、自ら変化し続ける事を高らかに宣言した@onefive。その変化は『Justice Day』から先んじてパフォーマンスが披露された二つの楽曲からも見て取れた。まずは、7月29日の六本木アイドルフェスティバルで初めてパフォーマンスされた「SAWAGE」だ。ライブの直前におこなわれた配信では@fifthが掛け声をかけたりするパートのレッスンがあり、歌詞の一部も公開されて、本番に向けて盛り上がる準備が進められていた。

タイトルを初めて目にした時には勝手にアップテンポで享楽的なパーティチューンをイメージしていたのだが、実際の「SAWAGE」はシンプルながら心に染み入るようなメロディを持つエモーショナルなエレクトロポップだった。どちらかと言えば抑えめのトーンの中で愛嬌ある掛け合いやダンスにより進行するAメロから、徐々に昂揚するブリッジを経て切なくも力強いサビへと到達する。このサビで僕たち@fifthはハイファイブをするように掌を掲げて声を上げ、「SAWAGE!SAWAGE!」と叫ぶのだが、事前のレッスンもあったし、恐らく@onefiveを初めて観る人たちにも覚えやすいアクションと馴染みやすいメロディだったこともあって、初披露にも関わらず大いに会場を盛り上げることができていたように思う。

「SAWAGE」の曲調自体はこれまでの@onefiveの楽曲と比べて大きな変化があった訳ではなく、違和感なくセットリストに収まりそうなものであるが、この曲の歌詞には、明らかに今までにはなかった視点が含まれている。テーマであるサビ部分の「全く悩むことない 何も気にすることない」という歌詞は、@onefiveの楽曲の中では初めてと言ってもいい、強い確信を持って他者に語りかけるメッセージだ。個人的に「SAWAGE」は「1518」と対になるような楽曲だと思っているのだが、メンバー自身が言葉を綴った後者が自らの内に募った想いを懸命に相手に伝えようとしているのに対して、「SAWAGE」はより相手の近くに立ち、開かれたメッセージを届けて、受け取った人たち(特に同世代のファンに向けて投げかけられていることは明白だろう)を優しく励ますような器の大きさと温かさを感じさせる。

この変化は表向きには目立たないものであるが、もしかすると一つの分岐点になるものかも知れない。これまでの楽曲では自分自身に語りかけるような前向きな言葉を歌って共感を呼んで来た@onefiveが、より同世代のファンたちを"引っ張っていく"ことに自覚的になったのではないか…。そんなことを想像したりもしている。

そして、もう一つの新曲である「Justice Day」は、8月4日に代々木第二体育館で開催されたTGCteen 2023 Summerのステージで初披露された。この日、オープニングアクトの4組目として登場した@onefiveは、ほとんどの観客が自分たちのことを知らないであろうアウェイの状況を逆手に取り、この@onefive版レベルソングとも言える攻めの一曲を初めてパフォーマンスしたのだ。

@onefiveは「Justice Day」において、サウンドの面でもダンスの面でも変化への果敢な挑戦をしている。身体を震わすブーストしたベース、ビッグビート、ジャングルのファンクネスを思わせるつんのめったビートを主体に、エレクトロピアノの音色やドラマチックな展開が90年代J-Popの影も感じさせるトラックは、@onefiveの過去の楽曲群と比べても異質の感触だ。ジュークやゲットーハウスを下敷きにした「Underground」と同じく、"極限までカッコよくダンスを魅せるため"のトラックであると、個人的には思う。

メンバー自身が明言しているように、今回は初めて男性のコレオグラファーに振り付けをしてもらっていて、それも大きな変化であると言える。元々上半身の繊細で柔らかな動きで魅せるのが特徴であった@onefiveのダンスが、下半身を上手く使うように変化してきたのは「未来図」の頃からだったが、「Justice Day」のダンスにおけるフットワーク、更に全身の上下動は、間違いなくこれまでの@onefiveのコレオグラフィの中でも最大の激しさである。そして、彼女たちはこれを歌いながら踊る、のである。

僕は8月6日のTIFのステージで「Justice Day」のパフォーマンスを初めてこの目で見たのだが、この曲を歌いながら踊る迫力、実際にそのパフォーマンスを生で体験する衝撃と驚きは相当なものだった。歌いながら踊ることは、これまでもずっと@onefiveの矜持であったから、このタフな楽曲を当然のように(TIFでは踊り切った後MCもままならないほどに息が上がっていたが)歌って踊ることは、変化ではなく進化なのかも知れない。とにかく、「Justice Day」のパフォーマンスは、この数ヶ月で@onefiveが更に変化と進化を遂げたことをはっきりと示したと言っていいと思う。

テキストを書き始めてから書き終えるまでの間に、シングル『Justice Day』に収録される「Like A」に関する新しい情報がローンチされた。どうやら楽曲はまた新たなテイストのようだし、MVに関しても新しい試みが為されているようだ。@onefiveは宣言通りに変化と進化を続け、そしてそれは秋以降もまだまだ続いて行くことだろう。

(2023年8月14日)



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