だから俺はクズなのだ

毎朝登ってくる太陽に苛立つ。
やかましく朝を知らせる親に苛立つ。
朝食が洋食だった日には、何故和食では無いのかと苛立つし、和食だった日には何故洋食では無いのかと苛立つ。
玄関まで迎えに来る母親に苛立つ。
うまく鍵が刺さらない自転車に苛立つ。
俺を照りつける太陽に苛立つ。
通学路の急な斜面に苛立つ。
すれ違う人間に苛立つ。
不細工な女のクラスメイトに苛立つ。
しつこく話しかけてくる担任に苛立つ。
毎日のようにある課題に苛立つ。
風呂が沸かされていない事に苛立つ。
今日何があったか聞いてくる母親に苛立つ。
勉強について説教する父親に苛立つ。
ゆっくりと、着実に時を計測する時計に苛立つ。
真っ暗な夜空に苛立つ。

あぁ、今日もクズだった。

いい天気なのに。
俺が起こしてと母さんに頼んだのに。
本当はどっちでも美味しいのに。
毎回ぼくを送ってくれて嬉しいのに。
鍵なんてたった数回で刺さるのに。
夏も嫌いじゃないのに。
坂の上は見晴らしがいいのに。
みんな毎日仕事を頑張ってるのに。
あの子は優しい子なのに。
生徒のことを心から想う優しい先生なのに。
友達とやる課題は楽しいのに。
別にシャワーも嫌いじゃないのに。
母さんと話すのは嫌いじゃないのに。
父さんはいつもぼくを笑わせてくれるのに。
時計の針がちっくたっく。
それを聴きながら夜空を眺める。
とてもとても、幸せなはずなのに。

だから、ぼくはクズなのか。

遠い遠い未来に向かって
俺は一体何になるんだ
息切れ無理やり整えて
頑張れって言われても
なんのために?だれのために?
分からない 聞いても「わからない」
誰がクズなんだ?この世界では
誰が悪いんだ?この世界では

そうかぼくも、クズなんだな。


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